クリーニング業の一部の仕事を商店街や住宅街で地域の人々にワークシェアすることで、地域の交流を生み出そうという新たな試みが、京都で行われています。
京都で清掃事業や洗濯・クリーニング事業を展開している会社が行っているのは、地域循環ワークシェアリング「ACWA BASE(アクワベース)」。
運営する株式会社アグティの代表取締役・齊藤徹さんは、この取り組みについて、自社のクリーニング事業から着想を得たと明かします。
そして、このワークシェアの狙いは、社会問題化している高齢者などの孤独や孤立の解消だと、齊藤さんはいいます。
「クリーニングでは『たたむ』という作業があって、洗濯工場の中でスタッフがその仕事をしているのですが、これは特殊な作業ではなく日常的なもの。わざわざ洗濯工場まで来てもらわなくても、住宅街や商店街に仕事(洗濯物)を持っていって、地域の方に働きに来ていただければ良いのではないか、と考えたんです。そうすることで地域との関係性を深めたり、知り合いが増えて孤立や孤独といった社会課題を解決できるのではないかと」
「ACWA BASE」の特長は、「いつ来てもいい、誰が来てもいい、仕事をしてもいいし、しなくてもいい、おしゃべりだけでもいい。仕事をした分だけちゃんと対価がもらえる、という場所」(齋藤さん)。そうすることで、だれもが立ち寄りやすい環境を整えました。
現在「ACWA BASE」では約40人が登録。以前は週4日だったところ週5日、6日と営業日を増やすほど地域住民が集まってきているのだそう。利用者の年代は10代~80代と幅広く「ACWA BASE」での仕事を通して、地域の住民同士の顔が見える関係作りの一助になっているようです。
「ここでの仕事を通して、社会の一員として役に立っている、自分の働きが誰かのためになっている、という実感を持つことで、そのコミュニティーが居場所としての価値を持つのではないかと考えている」という齋藤さん。
今後の展望について、「孤立・孤独という社会課題の解決を目指すことはもちろん、解決したい社会課題は地域ごとによって、世代によっても違うかなと考えている。今後も地域の事業者さん、住民の方と一緒に、地域独自の課題をビジネスで解決していけるような、機会をたくさん作れたらと動いている最中です」と述べていました。
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2023年11月27日放送回より
■番組でのリクエスト曲
平井大『Slow & Easy』
「張りつめた日が続きやすいので、これを聴くと少しリラックスできたりします。」(齋藤さん)