神戸市は、地震などの災害で公共交通機関が止まって帰宅できなくなった人を、スマートフォンを使ってスムーズに一時避難施設に導く全国初のシステムをこのほど開発した。4月1日から運用を始める。
開発したのは、「帰宅困難者支援システム」。市のホームページや駅のデジタル広告に表示される二次元コードにスマホなどでアクセスし、候補として表示された中から施設を選び予約すると、ナビ機能で施設まで案内してもらえる。一時滞在施設はホテルやホールなど、中央区内の26か所で、約2万人の受け入れが可能。
避難に手助けが必要な人や小さい子どもがいる家庭、旅行者、外国人など、それぞれの状況や希望に合った施設を選ぶことができ、現在地から近い順に表示される。日本語のほか英語、中国語など5言語に対応する。
神戸市によると、災害で公共交通機関が平日にストップした場合、中央区だけで最大約20万人の帰宅困難が想定されるという。同市の久元喜造市長は、会見で「いざという時に的確に運用できるよう、施設の運営管理者らと連携を密にしていきたい」と話し、「システムがあることを知ってもらい、自分の身を守ってほしい」と呼び掛けた。
