玄米の表面を削って精米すると出てくる粉「米ぬか」。ぬか漬けの“ぬか床”や畑の肥料などに活用されることで知られているが、古くから美容にも効果があると言われている。
江戸時代から広く庶民の間に広まったとされる「ぬか袋」は、体を洗うためのせっけん代わりに重宝されていた。米ぬかに含まれる酵素が皮膚の老廃物を分解し、その汚れを油脂の力で毛穴から溶かし出すことでさっぱりした使用感が得られたのだとか。
ただ、米ぬかには「腐りやすい」という欠点があった。その欠点を改良し、1894年(明治27)に大衆向けに商品化したのが神戸市に本社を置く『神戸美人ぬか本舗』だ。特注の木綿袋に手作業で充填し、手縫いで仕上げたぬか袋は、米ぬかで美しくなってほしいという願いを込めて「美人ぬか」と名付けられた。
使い方は簡単で、ぬか袋に水を含ませて肌をなでるようにマッサージして洗い流すだけ。米ぬかエキスに含まれるアミノ酸、ビタミンB・E群、多糖類や米ぬか油の力で古い角質を取り除きながら肌にうるおいを与え、キメを整える効果が期待される。
神戸市須磨区の産直市場「ナナ・ファーム須磨」では、数年前から同社の米ぬか美容品を取り扱っている。食品以外でお土産にもなる神戸のモノを探す中で「美人ぬか本舗」にたどり着いたそうだ。地元の自然派化粧品ということで、利用客にも好評だという。
担当スタッフは「定期的に行っている店頭販売で、ぬか袋やハンドクリームを試してもらっています。お客様だけでなく市場のスタッフたちも“皆で美肌になろう”と楽しみながら購入しているんですよ」と話してくれた。
※ラジオ関西『Clip月曜日』3月18日放送回より