【神戸】まちおこしにつなげる「クラフトビール」 地産のアコヤ貝活用 兵庫区和田岬 祭りで盛り上げ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【神戸】まちおこしにつなげる「クラフトビール」 地産のアコヤ貝活用 兵庫区和田岬 祭りで盛り上げ

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 近年各地で飲むことができるようになったクラフトビール(地ビール)。兵庫県神戸市兵庫区の和田岬地域で作られる「和田岬ビール」には、なんと、真珠の母貝であるアコヤ貝の粉末が用いられていて、ビールをまちおこしにつなげているのだという。取り組みのきっかけやアコヤ貝が使われている理由などについて、担当者に聞いた。

和田岬ビール
和田岬ビール

 クラフトビールによるまちおこしの発案者の一人は、和田岬ビール営業担当で、ハウスクリーニング・内装業が本業の森大輔さん。取り組みを始めたきっかけは、同区内にあるバーの運営者で、以前から親交のあった平井義也さんとの会話だったという。

 二人は、和田岬をより盛り上げるため、多くのイベントが行われる街にしたいとの意見で一致。まずは“祭り”を企画した。今年3月から、ノエビアスタジアムでのヴィッセル神戸ホーム試合開催に合わせて「ワダミ市」と銘打った地域密着型の祭りイベントを実施している。和田岬ビールは、このワダミ市に向けて和田岬の名産品を作ろうと、森さんと平井さんが企画したものだ。

多くの人が集いにぎわうワダミ市
多くの人が集いにぎわうワダミ市
ワダミ市では様々な露店が並ぶ
ワダミ市では様々な露店が並ぶ

 意外とも言える原材料“アコヤ貝”との縁は、兵庫区内を流れる「兵庫運河」にある。区内5つの運河の総称したもので、明治時代、25年の歳月をかけて1899(明治32)年に全体が完成した、同地域の歴史的財産だ。

 大正から昭和にかけて周辺地域に商工業地域としての隆盛をもたらした兵庫運河だったが、やがて、産業の発展に伴い水が汚染される事態に。高度成長期を迎える頃には地域の問題として横たわった。その後、企業などの対策によって徐々に水質は改善して、生きものが住める環境が戻った。

 そのような経緯があって2006年に立ち上げられたのが、「兵庫運河・真珠貝プロジェクト」だ。アコヤ貝を使った水環境の改善と、運河を環境体験学習の場にすることを目指してスタートした。地元の真珠会社の協力を得ながら、同運河でアコヤ貝を育てている。和田岬ビールの原材料になっているのは、そのアコヤ貝だ。

 地元ならではの産物を使い、兵庫区内の小さなブルワリーで醸造されたこのビールは、すっきりした飲みやすい味わいで女性にも好評だという。キャッチフレーズは「あなたもクレオパトラの気分が味わえる!?」。世界三大美女として有名なクレオパトラが、パールをワイン・ビネガーに漬けて溶かして飲んだという伝説にあやかり、平井さんが発案した。

 現在和田岬ビールは、ワダミ市での販売のほか、「insect & darts bar BUZZ」など和田岬周辺の数店舗で取り扱われている。また、「兵庫運河・真珠貝プロジェクト」のイベントにお目見えすることもあるそうで、以前実施した際には1人で4本飲んだ猛者もいたとか。

「少しでも地元を盛り上げられたら」と話す平井さん。新たなクラフトビールを作ろうと画策中だといい、現在とある店の向かいの畑でホップを育ててもらっているとのこと。地域を心から愛する二人は、今度はどのような味わいを生みだすのだろうか。

森大輔さん(写真中央)と平井義也さん(写真右)、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏
森大輔さん(写真中央)と平井義也さん(写真右)、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏

【参考】
・神戸市公式ホームページ
・「兵庫運河の自然を再生するプロジェクト」公式ホームページおよび「みんなで目指す『豊かな里海』『ゆりかごの海』」
・「兵庫運河・真珠貝プロジェクト」公式ブログ
・株式会社大月真珠公式ホームページ

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より

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