先日、築50年以上経っている家にお邪魔したんです。そこで「おぉ〜」と思ったのが、窓やドアにあるガラスのデザイン。
その家の型板ガラスは昭和を感じるデザインだらけで、当時からまったく変わっていないのだそう。なので、そこにいるとタイムスリップ感がエグいんです。
ガラスのデザインにはそれぞれ名前があります。老舗ガラス店の大将に教えてもらったので、あわせてご紹介してまいります。
まず、リビング。当時は「お茶の間」と呼んでいた場所にある引き戸の下段には、小さな四角形が無造作に描かれた模様のガラスが。これは、「古都」というんだそうです。
子どもがヤンチャをして割ったんでしょうか? リビングの引き戸には、上下で異なるデザインのガラスが入っています。
「古都」の上にあったのは、小さな凸凹がランダムに敷き詰められたデザイン。凸凹に反射した光がキラキラと美しく輝くこのデザインは、「ダイヤガラス」といいます。
2種類のガラスデザインが施された引き戸を開くと、テレビを見ながらピンク・レディーのフリ真似を練習する女の子と、ザ・ドリフターズの「ちょっとだけよ〜」やひげダンスを真似する男の子が。そんな兄妹の姿が見えてきそうな雰囲気です。
縁側の引き戸には、三角の“まきびし”みたいなトゲトゲが一面に広がったデザインの「折鶴」がありました。
「折鶴」のガラスを見ていると、子どもたちがテレビを見ながらワーワーいうてるのを尻目に、中庭を見ながらラジオでナイターを聴いているお父さんの姿が目に浮かびます。