衆議院選挙の争点となった「政治とカネ」。
自民党派閥裏金事件に関わり、自民党から非公認となった西村康稔・元経済産業相(62・兵庫9区)が8回連続当選を果たした。
いわゆる“裏金議員”は、この衆院選で明暗が分かれた。
西村氏は、新型コロナウイルス担当相や経済担当相を歴任。
自民党旧安倍派(清和会)の「五人衆」の1人で事務総長を務めたが、約100万円の還流金を受領したとして、昨年(2023年)12月に経産相を辞任し、今年4月には1年間の党員資格停止処分も受けた。
選挙戦では清和会元事務総長としての責任を認め、“おわび行脚”。
声を枯らして「還付金は、収支報告書に記載しており裏金ではない。不記載ではなく“誤記載”だった」と訴えた。
無所属での出馬だったが、公明党や自民党支部の支援を受けた。
兵庫9区(明石、洲本、南あわじ、淡路市)では、泉房穂・前明石市長が立ち上げた政治団体「明石市民の会」から昨年(2023年)に兵庫県議選で当選、今回の衆院選で立憲民主党から出馬した橋本慧悟氏(35)ら新人3人を振り切った(橋本氏は比例で復活当選)。
当選確実の一報を受け、西村氏は支援者の待つ選挙事務所に姿を見せ、「逆風の中、とても苦しい戦いだった。もう一度襟をただして、気を引き締めて、ゼロからスタートする。『苦しい、厳しい』という切実な街の声を聞いた。年金問題、障がい者への福祉、農業・漁業・中小企業へのサポートなど、しっかり目配りをした政治をしなければ。最初の選挙(2000年)以来の苦しさを味わい、原点を思い起こした」と話した。
そして、政治資金の使途の「透明化」、「説明責任」と「第三者の監査」が必要だと訴えた。