“鉄っちゃんアナ”としても親しまれる鉄道通のフリーアナウンサー・羽川英樹さんのラジトピコラム「羽川英樹の出発進行!」。今回は、サイクリストとして、自ら和歌山・紀の川サイクリングロードにチャレンジした体験記をつづります。それでは、出発進行!
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関西でのサイクリングコースといえば、琵琶湖一周(ビワイチ)210km、淡路島1周(アワイチ)150kmなどが有名ですが、どちらも簡単に挑戦できる距離ではありません。
筆者も60歳代まではこの両方を何度も完走しましたが、70代に突入し、もう少し楽な距離でのんびり半日走れるところはないかと検索。そこでヒットしたのが、和歌山にある「紀の川サイクリングロード」でした。
初級レベルの49kmコースに挑むべく、前の晩からマイカーにクロスバイクを積み込んで、和歌山市内のホテルに宿泊。翌朝、和歌山市の紀の川北岸にある和歌山市民スポーツ広場から出発しました。
秋晴れ・気温22℃という絶好のサイクリング日和。ここから紀の川沿いを東に向かい、岩出・粉河方面に進んでいきます。そして今回の道中の楽しみの一つは、鉄道各路線の鉄橋や駅に出会えることなんです。
まずはいきなり、南海本線・加太線の橋梁をくぐります。『和歌山市』~『紀ノ川』間にかかる全長628mの鉄橋はじっくり見ないと損ですよ。なんせ上りと下りでフォルムが微妙に違うんです。
奥の下り線(和歌山市方面行)は、1903(明治36)年に完成した、やや直線的なフォルム。一方、手前の上り線(なんば方面行)は、1922(大正11)年の複線化で誕生した、曲線の混じったフォルム。明治・大正の2つの時代の赤いワーレントラス橋が並ぶ光景は、まさに“鉄ちゃん”必見のスポットです。
そこからしばらくは紀の川下流沿いの専用道を、秋風を受けながら進みます。すると、次に出会えるのがJR阪和線『紀伊中ノ島』~『六十谷』間にかかる紀ノ川橋梁(全長480m)です。ここは1930(昭和5)年に阪和線が和歌山まで延伸した時に架けられ、2009(平成21)年に三角形が美しく連なるトラス橋に架け替えられました。