“持続可能”と“利益創出”の両立目指したビジネスモデルを構築 IT農家が見つめる未来 兵庫・姫路 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“持続可能”と“利益創出”の両立目指したビジネスモデルを構築 IT農家が見つめる未来 兵庫・姫路

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 世界中でSDGsが意識されているなか、兵庫県姫路市の網干地区には、“持続可能な農業”を目指し、ITを駆使したハウス栽培をしている農家があります。代表の八百伸弥さんは、大学でロボット工学を学んできた異色の経歴の持ち主です。なぜ農業という道を選び、どういった未来を見据えているのでしょうか。地元・姫路の魅力を伝えるラジオ番組で、八百さんに詳しく聞きました。

 八百さんが代表を務める株式会社みつヴィレッジでは、主にトマトといちごを栽培しています。八百さんはそのこだわりについて「おいしい野菜を作るにあたって、“土”は切っても切り離せない。昔ながらの土耕栽培にこだわっています」と説明します。

みつヴィレッジで栽培するトマト(提供:株式会社みつヴィレッジ)
トマト(提供:株式会社みつヴィレッジ)
みつヴィレッジで栽培するいちご(提供:株式会社みつヴィレッジ)
いちご栽培の様子(提供:株式会社みつヴィレッジ)

 野菜を栽培するビニールハウスは、ITを駆使した徹底管理を行っています。ハウス内の温度・湿度・二酸化炭素濃度などをコントロール。植物が光合成を行うのに最適な環境を維持することで光合成の速度が上がり、その結果、実りもよくなって品質が安定するのだとか。加えて、化学農薬にはできるだけ頼らず「安心して食べられる商品づくり」をモットーにしているといいます。

トマトのハウス(提供:株式会社みつヴィレッジ)
トマトを栽培するビニールハウスの様子 (提供:株式会社みつヴィレッジ)

 中学生のころからロボットに興味があったという八百さん。大学では主に二足歩行ロボットの研究をしていたそうです。その後、コンサルタント事業会社に就職して様々な業種を見ていく中、「農業にロボット技術やIT技術を取り入れて生産性を向上させ、“持続可能な農業”として利益をもたらすビジネスモデルを構築する」というテーマにたどり着いたのだとか。八百さんは、時代が移り変わり、需要はロボットそのものより、その技術を何の分野に生かしていくのかが重要になってきたといいます。

 みつヴィレッジは、姫路市の認定農業者(※1)にも選ばれています。同番組でパーソナリティを務める清元秀泰姫路市長は、「日本の食料自給率は38%と言われています(※2)。(多くの人が)農業への夢をなくし、なり手が不足している中で、認定農業者として『農業は、手法によって利益をもたらせる』という希望を示していただいているのはありがたいこと」と、同社が打ち出す今後の農業への期待を語りました。

 八百さんは、「『食糧安全保障』は、今の日本にとって重要な課題であると考えています。持続可能な未来のためには、生産者と消費者が一緒に、安心・安全な農業を考えていくことが大切」とした上で、「みつヴィレッジでは、トマト狩りやいちご狩りなども行っています。お子さんだけでなく大人の方にも、農場に来て農業について知っていただくきっかけになればと思っています」と抱負を語りました。

いちご狩りの様子(提供:株式会社みつヴィレッジ)
いちご狩りの様子(提供:株式会社みつヴィレッジ)

※1 意欲ある農業者が自らの経営を計画的に改善するため、農業経営基盤強化促進法で位置づけられている「農業経営改善計画」を、姫路市が認定した経営体(個人・法人を含む)。
※2 農林水産省「日本の食料自給率」より

※ラジオ関西『ヒメトピ558(ゴーゴーエイト)』2024年11月1日、8日放送回より

写真中央:みつヴィレッジの八百伸弥さん 左:パーソナリティの清元秀泰市長 右:ナビゲーターの洲崎春花
写真中央:みつヴィレッジの八百伸弥さん 左:パーソナリティの清元秀泰市長 右:ナビゲーターの洲崎春花
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