12月10日は「世界人権デー」でした。1948(昭和23)年12月10日、国連で世界人権宣言が採択されたことを記念して制定されたもので、日本では12月4日から10日までの1週間を「人権週間」として、毎年全国的に人権啓発活動が展開されています。
兵庫県内でもさまざまな活動が行われますが、その一方で、年間を通じて実施する人権啓発活動の一環として、法務省による「人権教室」が各地で開催されています。11月13日には、播磨町立播磨南小学校(加古郡播磨町)で実施され、児童らが人権について考えました。
今回参加したのは、2年生の児童約90人です。冒頭、まずは同校の境康佑先生から人権についての説明があり、「人権とは、自分にもあるしお友だちにもある、とっても大切なものだよ」と語りかけるシーンがみられました。
この日の人権教室は、映像作品を用いながら2つのテーマで進行。1つ目のテーマは、今年から初めて取り上げられることとなった“プライベートゾーン”(体の中で性に関わる大切な部分)を題材とした『おしえて!くもくん』でした。
「水着を着ると隠れる部分は、男の子にとっても女の子にとっても、自分だけが見ていい大切なパーツです」。
講師を務めた加古川人権擁護委員協議会・大辻京子さんは、「相手のプライベートゾーンを見ようとしてはいけない」こと、そして「プライベートゾーンを見たり触ったりされそうになったときには、はっきりと大きな声で『いやだ!』と言うのが大切」だということを、本を読み聞かせるようにしながら身振り手振りを交えて解説しました。
参加した児童からは、「プライベートゾーンは、みんなの大事なところなんだなあと思った。これからも大切にしていきたいと思いました」という声が聞かれました。
話している人のほうに視線を向け、まっすぐに話を聞いていた児童ら。同校では、日頃から人権教育に取り組んでいるそうで、毎月「人権目標」を作り、子どもたちが見やすい廊下に掲示しているといいます。
都倉聖子(とくら・さとこ)校長によると、同校の今年度のキーワードは「はあと」なのだとか。「はなしをきこう」「あいさつをしよう」「ともだちをたいせつに、じぶんもたいせつに」の頭文字から取っているそうで、「友だちと自分の『はあと』を大切にしようという学校文化は、少しずつ根づいてきていると感じています」と語りました。
人権教室を終えた大辻さんは、「学校の先生がするのが、人権教育。私たち人権擁護委員が行っているのは人権啓発です。子どもたちや先生方も含めて、人権について考える何かのきっかけになればというのがコンセプトです」と、人権擁護委員の存在意義について改めて説明。そのうえで、「私たちの伝えたいことが子どもたちの心に届いて、少しでも記憶に残ってくれたらいいなという思いで、一生懸命伝えています」と胸中を吐露しました。
※ラジオ関西『ニュースの景色』2024年12月2日放送回より