“鉄っちゃんアナ”としても親しまれる鉄道通のフリーアナウンサー・羽川英樹さんのラジトピコラム「羽川英樹の出発進行!」。2025年、最初に羽川アナが現地取材したのは、近鉄奈良線。前編として、『大阪難波』→『生駒』をたどります。それでは、出発進行!
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近鉄奈良線は、近鉄の前身である大阪電気軌道の創業路線として1914(大正3)年に上本町~奈良間が開通。1969(昭和44)年12月、奈良駅が地下化されると、 翌年の1970(昭和45)年3月、上本町~近鉄難波間の地下新線が開業しました。大阪への通勤通学と奈良への観光という2つの役割を持つ路線で、運行頻度も高く、まさに近鉄のドル箱路線です。
大阪から奈良へは、JR大和路線が生駒山の南麓を回り込んで向かうのに対し、近鉄はトンネルで貫通して一直線に結びます。前編の今回は、近鉄奈良線の大阪側の起点『大阪難波』から中間拠点の『生駒』までのリポートです。では、阪神電車も相互乗り入れする『大阪難波』から区間準急で、出発進行!
『大阪難波』からは日中、毎時00分に名古屋行特急「ひのとり」が、毎時10分に賢島行特急「ビスタカー」が、それぞれ同駅始発で発車していきます。また毎時30分には停車駅が多いタイプの名古屋行特急も設定されています。
『大阪難波』を出てしばらくは地下区間。黒門市場にも近い『日本橋』を過ぎると、上町台地のてっぺん『大阪上本町』に。1970(昭和45)年までは奈良線もここが始発でした。奈良線は地下ホームですが、地上には6面5線を持つ大阪線のホームが広がり、大阪線は特急以外の列車はこの駅が始発となります。ここで大阪メトロ谷町線・千日前線の谷町九丁目駅とも接続し、近鉄百貨店(上本町店)やシェラトン都ホテル大阪も隣接。新歌舞伎座(「上本町YUFURA」6階)も難波から2010年に移転新装されました。
地上に姿を現し『鶴橋』。ここはJR大阪環状線、大阪メトロ千日前線と接続するため、乗降客は沿線最大となっています。夕方以降ホームに立っていると焼き肉のいい匂いが漂い、近くのコリアタウンには多くの韓国料理店や食材店が軒を連ねます。