「神戸は、もっと知りたくなる街。海も山もすぐそばにあり、中華街や異人館など、様々な文化も共存する、温かく豊かな街」と話すのは、兵庫県芦屋市に住む大阪大学4年・張心藝さん(22)。
幼い頃から、お出かけといえば神戸だったし、大学生になってからは、留学生の友人を連れるくる場所になった。何度訪れても飽きることのない、魅力あふれる街。
開港以来150年あまりの歴史を重ねて大切に積み上げられてきた街が、30年前のあの日、突如として破壊されてしまったことが信じられない。
阪神・淡路大震災のことは、幼い頃からよく聞かされていた。当時両親は神戸市西区に住み、建物自体に大きな被害はなかったものの、テレビや大型家具が飛んで来るほどの、凄まじい揺れだったことを聞かされた。
自分が通っていた芦屋市の小学校では、8人の子どもが命を落とし、校舎自体も大きな被害を受けたことを知った。子どもたちの遺品や写真を目にし、遺族から震災の話を聞く機会も多く、悲しさで胸がいっぱいになった。今もそれは変わらない。