開館20周年!歌劇「さまよえるオランダ人」上演 兵庫県立芸術文化センター 佐渡裕芸術監督らが会見 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

開館20周年!歌劇「さまよえるオランダ人」上演 兵庫県立芸術文化センター 佐渡裕芸術監督らが会見

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 兵庫県立芸術文化センター(兵庫県西宮市)は、毎年恒例の「プロデュースオペラ」について、本年、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」を上演すると発表、このほど佐渡裕芸術監督らが記者会見を開いた。兵庫県芸術文化センターは開館20周年で、ワーグナーのオペラ上演は今回が初めて。節目の年に満を持し、ドイツ・オペラの頂上に挑む。

歌劇「さまよえるオランダ人」の発表会見で。右から妻屋秀和(バス、ダーラント役)、佐渡裕・兵庫県立芸術文化センター芸術監督、清水徹太郎(テノール、舵手役)=2025年1月15日、兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センター

 同センターは2005年、阪神・淡路大震災からの「心の復興」を目指して設立された。世界的指揮者である佐渡裕氏が芸術監督に就任、初年から「プロデュースオペラ」がスタートした。以来、毎年夏にオペラの全幕を上演。これまでに「ラ・ボエーム」「ドン・ジョヴァンニ」「魔弾の射手」など多彩な名作を届けてきた。

「さまよえるオランダ人」は、ワーグナー初期の傑作で、呪われたオランダ人船長と、船長を救おうとする娘の愛と自己犠牲の物語。ドイツ人演出家ミヒャエル・テンメが演出、オランダ人役にはザルツブルク音楽祭にも出演経験があるヨーゼフ・ワーグナー(バリトン)、国内外のステージで活躍する髙田智宏(たかだ・ともひろ/バリトン)がダブルキャストで登場するなど、豪華キャスティングも注目だ。

「ラ・ボエーム」兵庫県立芸術文化センター 提供:同センター 撮影:飯島隆
「ドン・ジョヴァンニ」兵庫県立芸術文化センター 提供:同センター 撮影:飯島隆

 これまでのプロデュースオペラは、プッチーニなどイタリア作品が多かった。会見で佐渡芸術監督は、「ドイツ・オペラの最高峰であるワーグナーにいつかは着手したいと思っていた」と述べ、「さまよえる―」を選んだ理由について、作品テーマの「愛と救済」を挙げた。「(娘が)自分の命を捧げて、その愛によってオランダ人が救済される。そういうところがドイツ的」。そして「震災の犠牲者たち、家族や友人を失った人たちの痛みを想像しながら20年間やってきた。あっという間だった」と振り返り、「この劇場は命と向き合ってきた。芸術監督として未来につなげていきたい」と話した。

「この20年はあっという間だった」。会見で思いを語る佐渡芸術監督(2025年1月15日、兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センター)

「さまよえるオランダ人」(ドイツ語上演・日本語字幕付き/新制作)は全3幕。7月19日(土)、20日(日)、21日(月・祝)、23日(水)、24日(木)、26日(土)、27日(日)の7公演で、各日午後2時、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで開演する。問い合わせは同センターチケットオフィス、電話0798(68)0255。

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