斎藤元彦・兵庫県知事をめぐるパワーハラスメントなどの疑惑について、弁護士で構成された第三者委員会が19日、調査結果を県の監査委員に報告、公表した。


パワハラ認定は10項目にのぼった。また、告発した元県民局長の男性(2024年7月死亡)の告発は公益通報であり、懲戒処分とした県の対応を違法だと指摘した。
■パワハラ認定、16件中10項目
▼兵庫県立考古博物館(兵庫県播磨町)に公用車で出張した際、エントランスが自動車進入禁止だったことから、約20メートル手前で公用車を降り、歩かされたことに立腹、出迎えた職員を激しく叱責した。
▼大阪・関西万博の目玉として注目される「空飛ぶクルマ」の開発メーカーと兵庫県との協定締結式が行われることを斎藤知事に説明しようとしたが、知事室で「何これ、聞いてない」「空クル(空飛ぶクルマ)は知事の直轄、勝手にやるな」と大声で叱責した。

▼夜間、休日のチャットによる叱責や業務指示が、長期間にわたり継続的に繰り返されてきた。
▼県立美術館の夏季休館の報道を見て、「聞いてない」と激怒し、側近職員に向けたチャットで「これでは予算措置はできない」などと示唆。翌日、責任者から事情を聞くことなく叱責したことなどが「パワハラ」として挙げられた。

報告書はこれらを、「聞いていないなら、聞けば良いのに、それより先に(斎藤知事の)いら立ちがあった」「指導の必要性がない」「怒りに任せて職員を論難した」「相手の職員に精神的衝撃を与え、職員は畏怖し、職場環境は悪化した」などと非難している。

■告発者探しは違法、告発は公益通報の“外部通報”
元県民局長の男性による告発文書は、公益通報の「外部通報」に該当すると判断。違法な告発者探しをした県の対応は「極めて不当」であり、違法であるとした。
また、文書を作成した元局長の公用パソコンを回収したことは公益通報者保護法に違反すると認定した。