世界的前衛芸術家としての評価の原動力 草間彌生の版画の軌跡を一挙に 京都市京セラ美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

世界的前衛芸術家としての評価の原動力 草間彌生の版画の軌跡を一挙に 京都市京セラ美術館

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 世界的な前衛芸術家・草間彌生の版画の世界を紹介する展覧会が京都市京セラ美術館で開催されている。2025年9月7日(日)まで。前後期で全作品を入れ替える展示替えを行う。

「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界-反復と増殖ー」
「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界-反復と増殖ー」

 草間彌生は、1993年第45回ヴェネチア・ビエンナーレで、日本を代表する作家として世界の舞台に立った。その前後で積極的に版画制作に取り組んだことも、現在の評価につながる原動力となった。版画作品を初めて発表したのは1979年。今展では当時の作品から近年の代表作までを一挙に紹介する。

『南瓜』1982年 ©YAYOI KUSAMA【前期展示】
『南瓜』1982年 (C) YAYOI KUSAMA【前期展示】

 草間は1957年、28歳で渡米。網目や水玉といった独自のイメージを確立し、ニューヨークを中心に創作活動を続けるが、体調や心の不調を感じ73年に帰国。この時期の作品は「死」を想起させるものが多かった。この頃から版画作品が登場する。版画作品には死や苦悩の対局にあるような華やかなモチーフが色彩豊かに表現されている。シルクスクリーン、エッチング、木版画、ラメなど様々な版画技法で制作された作品は、生命力にあふれている。

 作品は草間の言葉と共に展示されている。「花はわたし」「花に囲まれて暮らしたい」という草間が表現する花たちは、どれも笑っていて花たちの会話が聞こえてくるようだ。作品の中には、版画でありながら凹凸を感じられる作品もある。

 また、富士山を主題に江戸時代の浮世絵の木版画の技法を用いた連作や、モノクロームの大型シルクスクリーン作品「愛はとこしえ」シリーズなど、世界最大級の草間コレクションを誇る松本市美術館が所蔵する作品に加え、作家蔵の作品を加えた約330点を通し、草間彌生の版画芸術の魅力と軌跡を紹介する。

『朝のかがやき (TWHIOW) 』2007年 ©YAYOI KUSAMA【前期展 示】
『朝のかがやき (TWHIOW) 』2007年 (C) YAYOI KUSAMA【前期展示】

草間の言葉。
「版画の魅力にとりつかれて、私はつくりつづけて来た。」
作品にはそんな草間の思いがあふれている。

京都市京セラ美術館
京都市京セラ美術館

「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界ー反復と増殖ー」
2025年4月25日(金)~9月7日(日)
 前期:4月25日(金)~6月29日(日)
 後期:7月1日(火)~9月7日(日) 前後期ですべての作品を入れ替え
会場 京都市京セラ美術館
休館日 月曜日(ただし 7/21 、8/11は開館)

京セラ美術館 HP

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