568もの島が連なる「パラオ共和国」。世界から多くの観光客が訪れる美しい島国ですが、なんと「住所制度」が存在しないのだとか。
どのように手紙や荷物を送っているのか、「パラオ旅行専門店ナイスデイツアー」を運営するグローバルサービス(所在地:東京都千代田区)の井口さんに詳しく教えてもらいました。

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「パラオには正式な住所制度はありませんが、『ミューンズ』『ガルベース』『ガルミッド』など、地区ごとに明確に地域が分かれています。そのため“どこどこ地区の誰々さん”というように、地区名と氏名の組み合わせで個人を特定することが可能です」(井口さん)
というのも、パラオの人口はおよそ1万8千人と非常に少なく約7割が「コロール島」という小さな島に集中して居住しています。このような背景もあり、パラオには日本のように各地の郵便局や全国に広がる郵便局ネットワークはありません。

住所制度を整備して各家庭に郵便物を配達するより、むしろ「住民が郵便局まで取りに行く」ほうが合理的と考えられているようです。そのかわりコロール島に唯一の郵便局があり、切手販売など基本的な郵便サービスが提供されています。
「この郵便局には『PO BOX』という住民が利用する私書箱が設置されており、ほとんどの家庭が個別に持っています。郵便物を送る際は、宛先に受取人のPO BOX番号を明記することで、コロールの郵便局に届きます。またパラオは16の州から構成されているので、離島に住む人宛ての郵便物は各州政府が所有するPO BOXに一括で送付されます。その後、島に持ち帰られたうえで州のオフィスにて住民が受け取る仕組みとなっています」(井口さん)





