「スポーツの現場では、ただシャッターを切るだけじゃ『本物の写真』は生まれない。選手の思いや背景までをも切り取る」
そんな信念を持って世界を飛び回るスポーツフォトグラファー・小中村政一さん。ラジオ番組にて、独自のキャリアの築き方や未来への展望について語りました。

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カメラマンとしては異例の「スポンサー24社」という体制で活動する小中村さん。その理由について、「スポーツカメラマンは、新聞社やテレビ局に所属して撮りに行くのが一般的。でも僕はどこにも所属しないっていうのがポリシーなんです」と語ります。
さらに「新聞社のカメラマンとして撮りに行くと、撮った写真の版権は全部その新聞社のものになってしまう。だから自分の会社名でFIFAにもMLBにも申請して、自分で権利を持つようにしているんです」とも。
撮影スタイルについても独自のこだわりを持っており、「連写はしない」と断言したうえで「(連写じゃ)意思のある写真、意味のある写真が撮れない」と強調しました。
「週末に試合があれば月曜日から練習に通って、どう戦うか・どこにウエイトを置いて練習しているかを聞く。例えば、サッカー。『誰々選手にアーリークロスを上げようと思っている』という話になったら、その瞬間を一枚撮りする。その選手が一番輝いている瞬間に合わせてね」(小中村さん)
こうしたスタンスは小中村さんに対する、選手からの信頼感にも繋がっています。
「僕の意思が選手に伝わるんですよ。撮った写真を見て『ここを切り取ってくれたんや』『この瞬間をわかってくれてたんや』って。選手と僕が理解し合えた写真は第三者(読者)にも絶対伝わると思う」(小中村さん)


