著名人が愛した「豚饅」 実は神戸の“隠れ名物”? ご当地グルメとしてメジャーにならぬ驚きのワケ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

著名人が愛した「豚饅」 実は神戸の“隠れ名物”? ご当地グルメとしてメジャーにならぬ驚きのワケ

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 生まれも育ちも神戸市中央区でサブカル郷土史家の佐々木孝昌(神戸史談会、神戸史学会・会員)が、北区出身で落語家の桂天吾と、神戸のあれこれについてポッドキャストで語る『神戸放談』(ラジオ関西Podcast)連載シリーズ。今回のテーマは、「豚饅」です。

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 関西で豚饅といえば、テレビCMでもお馴染みの1946年から販売している大阪・「551蓬莱」が圧倒的に有名である。だが、その誕生は神戸の豚饅頭にインスピレーションを受けてとのこと(参照:「551蓬莱」HP)。

 神戸で初めて……いやいや関西で初めて……いやいや「日本で初めて」豚饅頭こと“豚饅”を販売したのは、神戸である。

 これもお馴染み、南京町にある1915年創業の「老祥記」がその店だ。半端じゃない行列ができるのでも有名である。

南京町「老祥記」の豚饅

 この行列は、今に始まったものではない。昭和の神戸グルメ本を見ていると、ちょうど南京町が整備されだした1984年の時点で、もう行列はあったのである。

南京町「老祥記」の行列も名物

 美食家として知られる喜劇役者の古川緑波も、戦前から同店が大好きだったようで戦後のエッセーで絶賛している。「この豚饅頭を知らずして、元町を、神戸を、語る資格は無い」(『悲食記』学風書院・1959年刊)とまで書いているのだ。

 また、作家の森田たまも『随筆ふるさとの味』(講談社・1951年刊)で「味は天下一品」と述べ、「谷崎先生のおたくでも愛用されたという話」と、文豪・谷崎潤一郎も好んでいたことを記している。


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