「エスプレッソ1日3杯以上」「マイカフェ日参」は常識? 世界的チェーン店もタジタジな国・イタリア | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「エスプレッソ1日3杯以上」「マイカフェ日参」は常識? 世界的チェーン店もタジタジな国・イタリア

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 コーヒー文化が盛んな国・イタリア。同国発祥のカプチーノやエスプレッソなどは世界で浸透していますし、日本にも進出しているコーヒーチェーン「セガフレード」やコーヒーメーカー「イリー」はイタリア生まれの企業です。水の都・ベネチアにある世界最古のカフェ「カフェ・フローリアン」は、なんと1720年の創業。イタリアにおいてコーヒーやカフェは古くから根付いていており、親しまれていたことが分かります。
 
 そんなイタリアでは「立ち飲み屋」ならぬ「立ち飲みカフェ」があると聞きつけた筆者。現地に住み、観光情報を発信するサイト「アーモイタリア」を運営する堂さんに詳しく聞きました。

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「イタリアでは、『バール』や『カフェ』で取る人が多いです。通勤途中に立ち寄ったり、地元のコミュニケーションの場として使う習慣が伝統的に根付いています。なのでそれぞれが『イル ミオ バール(il mio bar)』を持っています。直訳すると“私のバール”。イタリア人はバカンスをのぞくほぼ毎日、バールに通い同じ朝食を注文します」(堂さん)

ローマ・ヴィーテ通りのバール(イメージ)

 バールで朝食の定番・カプチーノとブリオッシュ(甘食のクロワッサン)を食べてから、職場や目的地に向かう……というのが彼らのルーティンだそう。毎日通うことでバリスタとも顔見知りになり「そのうちオーダーしなくても同じものが提供されるようになる」と堂さん。

 同国におけるバールとカフェに違いはあるのか質問したところ「明確な定義はありませんが、カフェはコーヒーがメインのお店。アルコールなどを含むドリンクも展開しているお店を指します。日本人が認識しているカフェに近いのは、バールの方だと思います」と回答が。

イタリアの定番朝食(イメージ)

 店だけでなく、エスプレッソのこともイタリア人は「カフェ」と呼び、飲むのが好き。一日に3~4杯飲む人は珍しくありません。そのため彼らはリーズナブルな「立ち飲み」を利用するといいます。日本における立ち飲み屋を想起させますが「カフェを飲むためにわざわざ座る方がナンセンス」というのがイタリア的思考なのだとか。

「私が住むフィレンツェの目抜き通りには老舗の高級有名バールがありますが、テラス席はほぼ旅行者で満席。地元の人はカウンターで立ち飲みすることが多いです。高級バールのテラス席で飲んだ場合、カフェは3ユーロ(日本円で約500円)、カプチーノは6ユーロ(約1000円)です。ですが、カウンターであればカフェは1.2ユーロ(約200円)、カプチーノは2ユーロ(約330円)となります」(堂さん)

 家庭でのコーヒー消費もなかなかに多く、エスプレッソメーカーは必需品だそう。「各家庭に必ず1つは直火式エスプレッソメーカーの『マキネッタ』があって、多いところだと、1人用・2人用・4人用・6人用と人数ごとのメーカーを持ち、4~5台を所持する場合も」と堂さん。

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 長らく「世界で唯一、スターバックスが進出できなかった国」として知られていたイタリアですが、2018年に初出店を許します。とはいえ、堂さんは次のように述べます。

「おそらくイタリア人はスタバのことをバールやカフェとは呼ばないでしょう。イタリアの伝統的なスタイルではないからです」

(取材・文=つちだ四郎)

エスプレッソメーカー「マキネッタ」(イメージ)

【取材協力】アーモイタリア
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