“重い線、軽やかなタッチ” 日本・シンガポール、障がい者アーティストが訴える パティーナ大阪 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“重い線、軽やかなタッチ” 日本・シンガポール、障がい者アーティストが訴える パティーナ大阪

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 知的障がい者の墨絵アーティスト、岡元俊雄さんと、ダウン症があるシンガポールの切り絵アーティスト、フェーン・ウォンさんの2人の作品が、大阪で開業したばかりのホテル「パティーナ大阪」(大阪市中央区馬場町)の1階ギャラリーで展示されている。9月7日まで。入場無料。

岡元俊雄さんの墨絵 割り箸1本で描き切る

 パティーナ大阪は、シンガポールを拠点とし、世界有数のラグジュアリーホテルを手掛けるカペラホテルグループの日本第1号店として2025年5月1日に開業した。

 展示タイトルは、“重い線、軽やかなタッチ”。

 シンガポール政府観光局とシンガポールのNPO・ART:DIS (※1 )、パティーナ大阪がタイアップし、大阪・関西万博のシンガポールナショナルデー(8月24日)の関連行事として実現した。

写真中央が岡元俊雄さん〈2025年8月22日 大阪市中央区〉

 障がいのあるアーティストをはじめ、さまざまなな背景を持つクリエイターに表現の場を提供し、文化や国境を超えた交流を促すのが目的で、展示では一筆の線や一回の切り込みが持つアートから、多様性を理解し、尊重し合う社会とは何かを訴える。

岡元俊雄さん

 岡元さんは1978年生まれ。1996年に滋賀県甲賀市の福祉作業所「やまなみ工房」に入所した。人物や風景画など、雑誌や画集をモチーフに墨汁と割り箸1本だけを使って次々に作品を生み出している。床に寝転がり、音楽を聴きながら描くのが岡元さんのスタイル。全体像をとらえて描き、その線の上を何度も塗り重ねることで、飛び散る墨のしずくや擦れた線が、豊かな表情とエネルギーを注入し、力強い墨絵となる。

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