最近、さまざまな商品で見かける「機能性表示食品」の表示。「脂肪の吸収を抑える」「BMIが気になる方に」などの言葉に目が行きますが、実際の効果はどの程度なのか気になるところです。そこで今回は、「機能性表示食品」の制度を見ていくとともに、身近な商品についても取材しました。
(注)本記事は機能性表示食品の制度および企業の取り組みを紹介するものであり、特定商品の効果や摂取を推奨するものではありません。

◆そもそも「機能性表示食品」とは?
「機能性表示食品」とは、企業が科学的根拠に基づいて機能性を表示した食品のこと。食品の機能性や安全性について、各企業が「科学的根拠」を消費者庁に届け出ることで表示が可能になります。あくまで企業の責任で行われるものであり、国が個別に審査や認可をしているわけではありません。
「BMI・体脂肪を減らすのを助ける」などの文言も、科学的根拠に基づいているからこそ表示が許されているそうです。
ただし注意したいのは、医薬品のように「病気の治療や予防」を目的としたものではなく、あくまで健康の維持・増進をサポートする食品であるという点。商品には「1日当たりの摂取目安量」や「摂取方法」が記載されているため、表示をよく確認して正しく摂取することが大切です。
◆馴染みのある商品にも「機能性表示食品」が
それでは、実際にどんな商品があるのでしょうか。「目のピント調整力を改善する」「おなかの調子を整える」など、さまざまな機能をうたった商品がありますが、今回はその中でも「BMI(※1)・体脂肪が気になる方」向けの商品を取り上げます。
体脂肪対策のパイオニア的存在であるサントリー「特茶」ブランドからは、今月、お茶ではなく機能性表示食品の水「特水」が登場しました。BMIが高めの人(※2)の内臓脂肪を減らすのを助ける機能が報告されている成分「HMPA」を配合しているのが特徴です。
サントリーの担当者は「『ほぼ無味無臭・無色』を実現しました。特に運動中や就寝前などは、味がついていたり、カフェインが入っていたりする飲み物をとるのに抵抗がある方も多いかと思いますが、こちらはいつもの水のかわりとして飲んでいただけます」と、余分な風味がない飲みやすさにこだわったと話していました。
また、ダイエット中で間食を控えたい時、口寂しい時の味方「ガム」にも、機能性表示食品が。ロッテの「マイニチケアガム 体脂肪を減らすタイプ」は、BMIが高めの人(※2)に対し、体脂肪を減らす機能があると報告されているブラックジンジャー抽出物を配合しています。
ロッテの広報担当者は、商品の特徴について「刺激が強すぎず、噛みやすいスッキリとしたスペアミント味にしています。持ち運びに便利なスティックタイプなので、いつでも気軽に噛んでいただきたいと思います」と、その手軽さを挙げていました。

さらに、お馴染みのあの調味料にも、機能性表示食品がありました。キユーピーの「キユーピー フィッテ」は、BMIが高めの人(※2)の内臓脂肪を減らす機能が報告されているローズヒップ由来ティリロサイドを配合したマヨネーズタイプの調味料。
キユーピーの広報担当者は「いつものサラダやおかずに普通のマヨネーズと同じように使っていただけます。一般的な加熱調理であればローズヒップ由来ティリロサイドが減少しないことを確認していますが、通常のマヨネーズよりも油の配合が少ないため、炒め調理よりは、パンやグラタンなどのオーブン調理がおすすめです」と話していました。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いかがでしたか? 科学的根拠に基づいて開発された「機能性表示食品」をうまく活用すれば、健康維持をサポートする選択肢の一つになりそうです。日々の食事や運動と組み合わせて、無理なく続けられる生活習慣を意識し、心身ともに元気に食欲の秋を楽しみたいですね。
(取材・文=中口のり子)
※1 BMI=Body Mass Indexの略で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。肥満や低体重(やせ)の判定などに用いられる。体格を表す指標として国際的に用いられている指数(引用:厚生労働省HP)
※2 ここでは「BMIが25以上30未満」
◆取材協力:
・サントリー「特水」
・ロッテ「マイニチケアガム 体脂肪を減らすタイプ」
・キユーピー「キユーピー フィッテ」




