シンガーソングライター・川嶋あいさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西)に、同じくシンガーソングライターのTAKERUさんがゲスト出演。発達障害やいじめ、不登校を経験しながらも、音楽と出会い、アメリカやオーストラリアでの生活を経て自分の道を見つけてきた半生を語りました。

1998年に神戸市で生まれたTAKERUさんは、小学生のときに高機能自閉症と診断されました。「知的な遅れはないものの、思いを言葉にできないもどかしさを抱え、周囲との関わりが難しかった」と語ります。
そうした環境のなかで、いじめや不登校を経験。自分自身を責める日々が続いたといいます。感情を言葉で表せず、ときには手が出てしまうこともありましたが、心のなかまでは見てもらえず誤解されることがほとんどだったそうです。
「言葉が出ないと、手が出てしまうんですよね。ガマンしてガマンして、最終的にそれが暴力という形になってしまっても、結果だけを見て判断されてしまう。心のなかの傷を見てくれた人は、ほとんどいませんでした」(TAKERUさん)
そんなとき、唯一信じてくれたのが兄の存在だったといいます。
「『TAKERUの言うことを、家族が信じなくて誰が信じるんだ』と、兄が間に入って助けてくれたんです。たった1人でも、自分の存在を認めてくれて信じてくれたということが、僕にとって生きていく希望になりました。『どんなあなたでも大丈夫だよ』と言ってくれた。兄と家族の支えがあったから、いまの自分があります」(TAKERUさん)
高校卒業後、TAKERUさんは単身でアメリカとオーストラリアに渡り、飛び込むような形で生活をはじめました。当時について、TAKERUさんは「自分の思いや感情表現をストレートにできる英語にすごく魅力を感じて……。そういう文化や世界を見たかった」と振り返ります。
英語と並んでのめり込んだのが、音楽でした。子どものころから、兄の影響でMr.Childrenを聴いて育ち、日本のJ-POPに親しんでいたTAKERUさんですが、渡米中にマイケル・ジャクソンやエド・シーラン、ブルーノ・マーズなどの音楽に出会ったことで音楽スタイルは大きく変化していきました。
「(マイケル・ジャクソンやエド・シーラン、ブルーノ・マーズなどの音楽は)僕の音楽の土台になっています。実際に彼らのライブを見に行って、『こういうものを作りたい』『音楽って楽しいんだよ、というのを伝えたい』と思ったんです」(TAKERUさん)
この思いから、ワンマンライブ「魂の音楽祭」を開催しました。





