京都・洛北、 四方を山に囲まれた山里 ・大原(京都市左京区)にある天台宗寺院・宝泉院(ほうせんいん)は、「額縁庭園」が美しい。

書院の柱と鴨居を額縁に見立てて庭園を鑑賞する独特の様式で、その端正なたたずまいは一枚の絵画のよう。
紅葉や樹齢700年を超える五葉松、竹林のライトアップが美しい夜間特別拝観『秋の夜灯り』は12月7日(日)まで。


大原は比叡山の西の麓に位置し、天台宗総本山・延暦寺と古くからのつながりがある。この大原で最も古い寺院が勝林院(しょうりんいん)で、声明(お経に節がついた法要儀式)の根本道場として知られる。
1013(長和2)年に創建され、すぐ隣の宝泉院は僧侶の住まい(僧坊)のひとつで平安末期(1180年頃)に創建された。


宝泉院の庭の名は「盤桓園(ばんかんえん)」。景色が美しすぎて立ち去りがたい庭という意味を持つ。小説家・山崎豊子の「不毛地帯」にも、夕暮れの宝泉院の庭の描写がある。
気温が下がり、木々が色づき始めた11月15日、庭園をバックに上方舞の奉納舞踊が披露された。


上方舞は、江戸時代中期に京阪地域で生まれた日本舞踊のひとつで、能や人形浄瑠璃、歌舞伎から影響を受け、独自の発展を遂げた。主に座敷などの限られた空間で演じられていたため、細やかな表現方法が特徴。歌手で俳優のピーターこと池畑慎之介さんは、上方舞吉村流四世家元を父に持つ。







