大阪府豊中市・池田市と兵庫県伊丹市にまたがる「大阪国際空港(伊丹空港)」。1939年、軍用・民間の両面で利用することを目的に「大阪第二飛行場」として開場しました。米軍の接収を経て日本に返還され「大阪空港」となり、第1種空港として国際路線を開設。その際に現在の名称に改められたという経緯があります。1994年に国際線が関西国際空港へ移転され、現在は国内線の基幹空港としての役割を担っています。
大阪の空の玄関口として知られる歴史ある同空港ですが、なんと“世界初”の施設があるとか。詳細について取材しました。

☆☆☆☆
その施設とはワイン醸造所。空港内施設としては世界で初めての試みで、2018年にオープンしました。しかしながら、エアポートという特殊な場所になぜワイナリーなのでしょうか? これについて運営元である株式会社スイミージャパンの担当者は「ワイナリーを目指して来る人のほとんどはワイン好き。ですが、世の中にはワインに全く興味がない人が大勢居る。ならば多くの人々が行き交うエアポート内に醸造所を作ることで、魅力を気軽に知ってもらう機会になるのではないか……と考えたことがきっかけでした」と話します。
設置にあたり、通常ではすることのない工事を行い多くの難点をクリアしてきたとか。中でもタンクの固定には苦戦したそうです。空港の3階飲食店部分に設置は決まっていたものの、建物自体が古くそのままではタンクなどの重さに耐えることができる状態ではなかったといい、H鋼を入れる工事を行ったとのこと。また、醸造所のあるガラス面の下は到着口。地震などで落下することのないようにワイヤーでガッチリと固定しました。

苦労のすえ完成したワイナリーには出張のたびに立ち寄る常連のほか、ワイナリーと知らずに入店しファンとなった人など様々な客層が訪れているといいます。
さて、筆者が同空港に対して常々抱いていた疑問についても聞きました。それは「大阪にまたがっているにもかかわらず、なぜ正式名称よりも『伊丹空港』と呼ぶ人が多いのか」という事です。これについて空港を運営する関西エアポート株式会社の担当者は次のように回答しました。
「開場当初の名称が『伊丹飛行場』だった名残りだと思われます。1945年8月の終戦後に行われたアメリカの接収の際に『ITAMI AIR BASE』と命名され、1958年の日本返還後も伊丹空港と呼ばれ続けました。それが一般呼称として定着し現在に至ります」(担当者)

☆☆☆☆
大阪中心部からの好アクセスと豊富な国内線ネットワークを生かし、関西の国内線基幹空港として使いやすさを追求する同空港。騒音対策など、周辺地域の生活環境改善や地域共生を深めるため、現在様々な取り組みに着手しているそうです。空港近くの川沿いには離着陸する飛行機が間近に見られるパークなども設けられ、環境と調和した「都市型空港」の理想形となるべく日々邁進しています。
(取材・文=長塚花佳)
※ラジオ関西『Clip』水曜日 2026年2月11日放送回より



