高級酒米・山田錦の産地・兵庫県加東市の「加東」と「勝とう」の意味を併せ持たせた商品名の純米吟醸酒が、6月から新ラベルで売り出したところ、売れ行き好調だ。日の丸を思わせる白地に赤。そしてシンプルに「勝とう!」の文字。新ラベルの考案段階で意識した東京オリンピック・パラリンピックは1年先に延期されたが、代わって「新型コロナウイルスに打ち勝とう」というメッセージ性が共感を呼んだ。
この清酒は関東在住の加東市出身者らでつくる関東加東応援団(会員約70人)の発案で2017年9月、神結酒造(加東市下滝野)が加東市産の山田錦を100パーセント用いて商品化した。スポーツだけでなく、さまざまな分野で目標に向かって頑張る人たちを応援する気持ちを商品名に込めた。
従来のラベルは力強い書体で「勝とう酒」と書かれていた。新ラベルは、地図のアプリでおなじみのピンをモチーフに、日本列島の加東市の位置に真っ赤なピンが立っている。その中央に「勝」を配した「勝とう!」の商品名。これには「加東市ってどこにあるの、とよく聞かれるので、ふるさと加東市の知名度をもっとアップさせたかった」という応援団員の共通の思いがある。名勝・闘竜灘のアユ、市花のコスモスも描いた。
商品は旧ラベル時代から春日神社(加東市上滝野)で勝利の祈とうを受けている。加東市観光協会では、6月1日から店頭に並べたところ、8日間で20本売れた。「験のいい名前」とスポーツ仲間同士の飲み会用に10本まとめて買った人もいたという。
応援団の事務局を受け持つ加東市まちづくり創造課は「就職活動や起業、プロポーズなどさまざまな人生の大勝負を迎える親せきや友人に、応援の意味を込めて贈るのはいかがでしょうか」とPRしている。
720ミリリットル、1635円。加東市観光協会のほか醸造元の神結酒造、道の駅とうじょう、酒店「井乃屋」などで販売。問い合わせは加東市まちづくり創造課、電話0795・43・0507まで。