隼さん 自分は大学から競技ダンスを始めました。サッカーなどと違って競技人口の少ないスポーツでチャンピオンになりたかったからです。なので私のモチベーションは高かったのですが……。
素子さん 私は先輩に「ゴハン連れてってあげるよ」なんて、甘くそそのかされてサークルに入ったので、楽しめればそれでいいという気持ちでした。なので、当時の主人は怖かったですね……(笑)。
一同 (笑)。
――それでも今まで一緒にダンスをされているということは、どこかのタイミングで足並みが揃ったわけですよね。そのきっかけを覚えていますか?
素子さん 主人の力もあって競技では好成績を残してきたので特に不満はありませんでした。しかし、ある大会で思うような良い成績が出なかったことがありました。このときに初めて「悔しい」と感じて、そこから少しずつ意識が変わってきましたね。
隼さん 僕は大学生のとき、全日本学生競技ダンス選手権大会というものが毎年冬にありまして、それで全国で2位の成績を収めることができました。
――2位! すごいですね!
隼さん でも、違うんです。1位のペアだと競技のあとにもう1曲「オナーダンス」を踊ることができます。オナー(honor)というのは「名誉」という意味。1位の名誉を誇るためのダンスで、チャンピオンだけに許される時間です。2位ではこの「オナーダンス」を踊ることができません。それがとても悔しくて。このときの悔しさがずっとバネになっています。今も、引き続き現役の競技プロとして活動していますが、そのことが原点かもしれません。
――お二人は教える側としてレッスンをすることもありますし、農業もされてもいらっしゃいます。ご家庭の時間も大切ですし、練習をする時間はないのでは?
素子さん いいえ、今はほとんど毎日練習していますよ。やはり練習あるのみですね!(笑)