「とにかくおもしろいエンタメを」三木市出身の作家、『そして、ユリコは一人になった』作者の貴戸湊太さんのおもいをきく | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「とにかくおもしろいエンタメを」三木市出身の作家、『そして、ユリコは一人になった』作者の貴戸湊太さんのおもいをきく

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そうですね。「次の展開が出ない!」となったわけです。でも冷静になって考えると、中学生で小説を書いて途中で断念するって当たり前かもしれないですよね。当時は原稿用紙回換算で200枚ぐらいは書いていたのですが、途中で頓挫してしまいました。今もデータがパソコンの中には眠っているんですけれども。

――データが残っているということは、今後作家活動を続けていくなかで、この作品が復活する可能性もあるわけですね!

可能性はゼロではないですね。

――それって素敵なことですよね。本当に初めて書いた作品を、作家としてもう一度完成させる……。ぜひ読んでみたいです!

確かに夢がありますね。ありがとうございます。

――そういった経緯を経て、作家を志されたわけですが、どこかの賞に応募されされたのでしょうか。

最初は大したものを書けないだろうなと自分で思っていたので、応募はしていませんでした。20作目くらいから応募を始めました。最初は箸にも棒にもかからなかったのですが、その後ポツポツと一次選考などを突破するようになり……。作品を書き進めるにつれて自分の腕が上がってきているなという感覚がありました。

――アイディアはどうやって練るのですか? 「降ってくる」ようなことはありますか?

「降りてくる」瞬間は本当にいろいろですが、私は散歩しているときが多いですね。外の空気に触れるのは大切です。パソコンに向き合ってばかりでも疲れますからね。

◆デビュー作を振り返って語る執筆業の苦悩


貴戸湊太『そして、ユリコは一人になった』(宝島社文庫)

第18回『このミステリーがすごい! 』大賞、U-NEXT・カンテレ賞受賞作! 私立百合ヶ原高校には奇妙な伝説がある。代々、ユリコという名を持つ生徒は「ユリコ様」として絶対的な権力を持ち、彼女に逆らう者には必ず不幸が訪れるという。ただしユリコ様になれるのは一人だけ。ユリコが複数人いた場合、彼女たちにも不幸が起こり、一人だけに淘汰される。図らずもユリコ様候補となった新入生・矢坂百合子は伝説を聞いて戸惑うが、才色兼備の親友・美月になだめられ、単なるオカルトと思い込もうとする。しかしその矢先、ユリコの名を持つ生徒が一人、屋上から転落死した。そして、それを契機としてユリコが次々と殺されていく――。誰が彼女たちを殺したのか、ユリコ様とは何なのか。学校の伝説を隠れ蓑にして、人々の悪意が、恐るべき殺戮劇を繰り広げる!

価格 本体700円+税
発売日 2020年2月6日
ページ数 336ページ
ISBN : 978-4-299-00221-1

宝島CHANNNEL(宝島社)ホームページより https://tkj.jp/book/?cd=TD002211&path=&s1=

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