『明智光秀を破った「丹波の赤鬼」~荻野直正と城郭』の著者・高橋成計さんに、田辺眞人が直撃(1)「丹波の赤井・荻野家について」

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 明智光秀ゆかりの地として注目される兵庫丹波の歴史、日本遺産、文化施設、食文化、地域活性に活動される方を多目的に取り上げる『ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波』(ラジオ関西)。今回から4週連続で、『明智光秀を破った「丹波の赤鬼」~荻野直正と城郭』(神戸新聞総合出版センター)の著者・高橋成計さんに話をうかがいます。その第1回となる4月23日放送回では、「丹波の赤井・荻野家について」をテーマに、高橋さんと、「兵庫・神戸のヒストリアン」として活躍する田辺眞人・園田学園女子大学名誉教授がトークを展開しました。(構成:久保直子さん)

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田辺先生
高橋成計さんの著書『明智光秀を破った「丹波の赤鬼」~荻野直正と城郭』(神戸新聞総合出版センター)を手にする、『ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波』パーソナリティーの田辺眞人さん

田辺眞人さん(以下、田辺) (明智光秀関連の書籍で)今まで赤井家が取り上げられることはなかったですね。

高橋成計さん(以下、高橋) ネット上で取り上げられることはありましたが、本格的にはなかったように思います。地元の方でもご存知ではないのが実状でしょうか。

田辺 もともと、高橋さんがこのテーマで書こうと思われたきっかけは?

高橋 35年ほど前から、丹波における歴史的な資料を集めていたんです。

田辺 ちょうど大河ドラマでスポットが当たりましたが、「荻野直正」、それとも、「赤井直正」、どちらの名で呼んだら良いですか?

高橋 歴史をやっているものからすれば、「荻野直正」ですね。

田辺 今回は丹波における赤井家・荻野家について、お話しいただきます。元々はどういう一族なんですか?

高橋 信濃国(長野県)の佐久郡芦田村というところにいた一族です。

田辺 そのあたりの地名を一族名に?

高橋 芦田村出身という説と、井上と称していて丹波市青垣町芦田に来たので芦田と名乗ったという、2つの説があります。

田辺 丹波の青垣町のあたりに行くと、「足立さん」と並んで「芦田さん」がたくさん住んでいらっしゃいますね。

高橋 東芦田というところに瑞雲寺があります。このあたりが館跡だろうと言われています。どうも鎌倉時代に不手際があり芦田に流されたようですね。清和源氏の頼季(よりすえ)流の流れをくむといわれています。

田辺 高橋さんがお書きになった赤井家の系図によると、「源頼信の子、頼季から始まり、家満のときに丹波の芦田にやってきて芦田を名乗り始めた。そして持家のときに弟が分かれて、赤井に住みつきだし、赤井と称し始めた」とありますね。ということは、(その場所は)今の氷上町のあたりですか?

高橋 氷上町の、市役所がある成松から南に新郷と谷村というところがあります。今の「ひかみカントリークラブ」のある赤井のあたりに住みついたということです。

田辺 それが為家ですね。住みついたのは、どれくらいの時期ですか?

高橋 年代はよくわからないんです。系図の上で言われるくらいです。1520年にやっと記録があります。

田辺 細川両家期の時代ですね。

高橋 忠家が細川高国のところに赴任して出てくるんです。

田辺 応仁の乱の後、細川氏が強大になりましたが、1500年代に入ると分裂してしまうという……、

高橋 そうです、細川の内乱で出てくるんです。

田辺 その頃にはかなり氷上郡で大きな勢力を持っていたのですか?

高橋 新郷と谷村あたりで名をはせる武将として出てきます。

田辺 系図の上では……、

高橋 忠家になります。忠家という人は系図に3人出てくるのですが、忠家-時家-家清。時家は直正の父。忠家は直正の祖父に当たります。

田辺 お父さんにあたる時家の時代が大体1500年代の前半ですね。

高橋 1520年から1530年あたりですね。赤井家の働きで有名な話があります。大永6(1526)年、細川高国に寵愛されていた波多野氏の次男坊、香西元盛(京都の香西家に養子に行った波多野氏の次男)が高国の弟(細川尹賢)に惨殺されるんです。このことによって波多野氏と赤井氏は高国方から晴元方にシフトするんです。波多野氏の三男坊である柳本賢治(殺された香西元盛の弟)が、現在の亀岡市の西側にある神尾山城に晴元方として入り、高国方に包囲されてしまうんです。そのときに忠家が背後から2000の兵を率いて後巻(背後から攻める)して、高国方を駆逐し追い飛ばしてしまいます。これが一番の赤井氏としての働きと言えるでしょう。

田辺 華々しいデビューみたいなものですね。

高橋 この戦に勝って、高国方を丹波から追い出してしまうんです。

田辺 その忠家、時家の次に直正が出てくるのですね。その赤井家に対して、荻野家というのは?

高橋 荻野は今の福知山、綾部(天田郡、何鹿郡)、それと兵庫丹波で南北朝時代から力を持っていた一族です。

田辺 氷上の赤井家と姻戚関係ですか?

高橋 非常に曖昧なところですが、この一族は姻戚関係にあるようですね。芦田、荻野、足立、というのは氷上郡ではものすごい力を持っていました。あとで赤井が出てくるんです。そんななかで、赤井直正が荻野家に養子に入ります。

田辺 次回は、直正が誕生してからのことをうかがいたいと思います。

番組
田辺眞人・園田学園女子大学名誉教授と久保直子さん
田辺眞人・園田学園女子大学名誉教授と久保直子さん

高橋成計『明智光秀を破った「丹波の赤鬼」 ~荻野直正と城郭~』(神戸新聞総合出版センター)
定価 本体2,300円+税
発行日 2020年2月
ページ 240ページ
ISBN  978-4-34-301061-2

神戸新聞総合出版センター
https://kobe-yomitai.jp/book/1007/


『ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波』2020年4日23日放送回

ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波 | ラジオ関西 | 2020/04/23/木 17:35-17:50

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