長い付き合いの友達がこれを聞いてどう思うか分かりませんが、私としては、歳を重ねるにつれて、小さい頃より優しくなってきているのかなと思います。昔は「とがっている」ような人が格好良いと思っていましたが、そうではなくて、誰かのために何かを始める人たちの背中を見て、私もそういう「優しい」人間になりたいなと考えるようになりました。
◆弁護士としての今、そして、これから
――弁護士として2年目。日々、どんなことを感じながらお仕事に取り組んでいらっしゃるんでしょうか。
弁護士を目指して勉強していた頃は、理屈や理論の勉強が多かったです。しかし、実際に弁護士として働きだすと、私たちの仕事は「困っている人と向き合うこと」だなあと実感します。お金のこととか、いろんな問題がありますが、最後は気持ちとしてどう納得をつけるかが大切になってくるんですよ。人の感情、気持ちとしっかり向き合うというところに、難しさを感じたりすることが多いですね。
――理屈では言い表せない部分のサポートも大切ということですね。では、弁護士として仕事をしていて一番うれしい瞬間を教えてください。
ずっと続いていたトラブルや事件が解決して、その終わり方に納得していただいた瞬間ですね。最初に会ったとき「人生最大のピンチ、明日からどうやって生きていけば……」というような顔で来られた方が、事件が解決したあと、明るく前向きな顔つきを取り戻してくれるのはうれしいです。「また頑張っていきます」といってくださると、私が困っている人を助けたんだなあと強く実感します。
――青木さんご自身が大変なとき、どういうふうに乗り越えていますか?
私は、乗り越えるのも大事だと思いますが、最悪、乗り越えられなくても、別の道があったりもするので。家族や友人など身の回りの人に相談して助けてもらいながら、(困難なときには)別の道も探しつつ、進めるようにしています。
――青木さんは司法試験を一発で合格されたんですよね。とても順風満帆に見えますが、ピンチがあったりするのでしょうか……?
そうですね……、今、パッと思いつくのは、司法試験のあとに行われた、二回試験(司法修習生考試)のときですね。途中で体調を崩してしまって……。手を挙げて「体調が悪いです」と申し出て、別室受験になってしまったんですよ。試験を受けきれないと合格できないので、「どうしよう……」という思いにもなったのですが、看護師さんなどに助けてもらいながら、なんとか乗り越えることができました。