もともとアパレル関係の仕事をしたいなと心の中でずっと思っていたんですよ。服飾関係のなかでも、靴磨きは「誰もが簡単にできて、ちょっとした工夫をするだけで大きく改善する」オシャレのひとつです。『オシャレは足もとから』という言葉もありますし、「じゃあ、まずは靴磨きからビジネスにしていこう」と考えました。
◆リスクよりも挑戦!
――ただ、ビジネスの経験はあっても靴磨きは初めてで、ゼロからのスタートになりますよね。どうやって技術を勉強されたのでしょうか。
本当に何も知らなかったので。最初にやったことは、本を100冊ぐらい買ったこと。それから、いろんなところで靴磨きを実際にやりました。けれど師匠もおらず実験する場所もありません。なので大学の図書館の前で、どーんと座って「無料で靴磨きをやります」と宣伝して練習させてもらっていました。
――すごいですね。それって実際に何人くらい図書館の前で靴磨きをされたのでしょうか。
まずは100人を目指してやっていましたね。
――お客さんである他の学生さんの反応はどうでしたか。
なんでしょうね……、やってもらう分に関してはきれいになるし、うれしいと思ってくれているようでした。でもその反面、変な人扱いされてましたね。僕のことを知らない人はもちろんそうですし、僕のことを知っている人にも「ついに頭がおかしくなった」と茶化されました。学内のインスタグラムのコミュニティでちょっと話題になってしまったり。
――そうやって靴磨きの腕を上達させてきたわけですね。けれども、企業となるとリスクもつきものかと思います。いきなり起業して怖くなかったのですか?
正直、そんなに怖くはなかったですね。最初から「ちゃんとやれば事業は伸びるんだろうな」という根拠のない変な自信があったんですよ。「いけるでしょ自分なら」、みたいな。怖さよりも、経営に関わる挑戦をしたいという意欲の方が大きかったです。そのために経営学部に入ったので、あきらめずにやり遂げようと思いました。
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