英語すらまともに扱えないぼくにとって、ヘブライ文字は強敵すぎる。アルファベットなら、多少は文字列を覚えることもできるでしょうが、ヘブライ語はただの記号にしか見えません。これでは駅の看板を見ても、地図を見ても、自分がどこにいるかも記憶できないし、行きたい駅も判別できない。
さっそく大きな壁にぶつかりました。この1週間どうしよう……。
とにかく宿を目指して動き出さないと、電車がなくなってしまいます。言葉もわからない。ポケットWi-Fiも持っていない(Wi-Fiについても「なくてもいけるやろ」と鼻ほじスタイルでした)。
駅前で路線図を眺めながらモジモジしていると、無愛想な駅員のおばさんが話しかけてきてくれました。
「キミはどこに行きたいんだ?」
予約していた宿の住所を見せると何とか伝わった様子。言われるがまま電車に乗り、言われるがまま4つ先の駅で降りました。
「この旅は誰かの助けがないとヤバいなあ……」
「目的地くらい誰に聞かんくても余裕で行けるやろ」と息巻いていたぼくは、一転して完全にあきらめモードになっていました。
「帰りたい 怖くなってきた カエリタイ」
【『独身リーマン、世界へ』イスラエル編 アーカイブ】
(1)独身リーマンがイスラエルに行って、すぐ帰りたくなった話
(2)イスラエルで迎えた、はじめての朝
(3)イスラエルの公衆トイレでドキドキ体験?!
(4)聖地・エルサレム到着
(5)エルサレムの旧市街地で感じた「人間の暮らし」
(6)「嘆きの壁」の2つの秘密
(7)キリスト最期の地「ゴルゴダの丘」