静かな「海の日」神戸港はイベント自粛 “海難ゼロ”への願い

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 7月23日は「海の日」。かつて海の記念日だったのを1996年に「海の日」として国民の祝日とし、ことしで25回目を迎える。

「男鹿島」
播磨灘・家島諸島「男鹿島(たんがしま)」(ひめじ家島オープンウォータースイミング大会 過去の画像・関係者提供)

 海の日を国民の祝日としているのは世界では日本だけで、国土を海に囲まれた海洋国・日本で海の資源から多くの恩恵を受けていることを感じてほしいとの願いが込められている。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ミナト神戸の夏を彩る巡視船のパレードや体験乗船が楽しめる「神戸港・ボート天国」は2020年は中止となり、静かな海の日となった。

例年開かれる神戸港ボート天国では神戸海洋博物館”マリンメイト”が1日海上保安官に(写真は2019年7月15日)
「神戸港ボート天国」神戸海洋博物館”マリンメイト”が1日海上保安官に(写真は2019年7月15日)

『海の日』は毎年7月・第3月曜日とされているが、2020年は特例として、開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックの開会式前日となる23日に変更された。(なお開催の有無に関わらず、2020年は開会式の7月24日が『スポーツの日』、『山の日』は1日繰り上げて閉会式の8月10日とした)

■全国有数の海上交通の難所・明石海峡は「海の銀座」

明石海峡は潮流が頻繁に変わる海上交通の難所(淡路島側から望む)
明石海峡は潮流が頻繁に変わる海上交通の難所(淡路島側から)
東西へ幅1.5㎞、長さ7㎞の航路に漁船やタンカー、フェリーが輻輳(明石市側から望む)
東西へ幅1.5㎞、長さ7㎞の航路に漁船やタンカー、フェリーが輻輳(明石市側から)

 近畿と四国の7府県を管轄し神戸を拠点とする第5管区海上保安本部は、潮の流れが1日4回変わり、1日平均600隻近くの船が行き交う全国有数の海上交通の難所「明石海峡」での警戒を特に強めている。1990年代~2000年代にかけては1日平均約800隻が航行していたこともあった。

海の事故ゼロキャンペーン
海上保安庁では7月31日まで「海の事故ゼロキャンペーン」を展開(ポスター画像提供・海上保安庁)

 このほか神戸海上保安部の管轄海域(阪神間沿岸~明石海峡~播磨灘東部、淡路島北部沿岸)では、燃料切れや見張り不足が原因によるプレジャーボートなど小型の船の事故が多発し、事故件数は毎年7月~8月に年間の約4分の1を占める(年による変動あり)といわれる。

ライフジャケット装着指導(画像提供・第5管区海上保安本部)
ライフジャケット装着指導(画像提供・第5管区海上保安本部)
走錨対策指導の様子(画像提供・第5管区海上保安本部)
フェリー乗組員への走錨海難防止指導(画像提供・第5管区海上保安本部)

■台風の季節、油断できない「走錨」

 2018年9月、台風21号の影響で関西空港の連絡橋にタンカーが激突した事故は、タンカーが強風で錨を下ろしたまま流される「走錨(そうびょう)」状態に陥ったのが原因とされる。

関西空港連絡橋衝突事故(2018年9月4日 画像提供・第5管区海上保安本部)
関西空港連絡橋衝突事故(2018年9月4日 画像提供・第5管区海上保安本部)
関西空港連絡橋衝突事故・乗組員救助(2018年9月4日 画像提供・第5管区海上保安本部)
関西空港事故・乗組員救助(2018年9月4日 画像提供・第5管区海上保安本部)

 こうした100トン以上の船舶による事故は2008年10月以降、2019年までに約70件発生(国土交通省・運輸安全委員会まとめ)。これからの台風の季節に大型船が流されると大事故につながりかねないため、海上保安庁はAI=人工知能で「走錨」を早急に発見するシステム開発を進めている。

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