GoToトラベルはいきなり全国区、半額という大きさでなく、もっと「小さな」GoToから始めればよかったのだと思う。まずは自分の住んでいる都道府県内で小さな旅をする。そこで発見したちょっといい場所、いいものをSNSにアップ、従来の手書きなどで市町村や都道府県の広報紙で紹介するのもいいと思う。
SNSの活用も、お金をかけないで「日本・Japan」のくくりで47都道府県から市町村までを閲覧できるホームページを作成し、国民からの情報を随時アップする。自分の住んでいるところ、故郷、友人のいるところ、あちこちの「ちょっと素敵なところ」を見ることで、コロナウィルスが収束したら行ってみたいという期待感を膨らませることもできるだろうし、英語版も作っておけば、アフターコロナ以降に活用できると思う。あちこちでバラバラに出されている情報を統括し検索しやすく見やすくするというイメージである。
歩くのは健康に良いばかりでなく、何か有事の際にどこをどう通れば早くどこに着けるか体で覚えられるということもあった。身近な町を歩くことで綺麗な花が咲く場所をみつけるかもしれないし、歴史的な場所をみつけるかもしれない。そして災害の時にどこをどうやって避難すればいいのかルートを見つけることができるかもしれない。
■割引をお得と思いすぎ
作る側、提供する側も足もとを今一度見直し、消費者とも双方納得できる「価格」を導き出す必要があると思う。地元で素材の生産者、加工業者、販売者、消費者でお金を循環することができれば、インバウンド(訪日外国人)に頼らずに基本的な経済基盤を作ることができる。地元みんなでみんなのウィンウィンの関係を築く。そうすれば「政府の補助金」つまり「国民の税金」を頼りに細々と食いつながなくてもいいのである。そうやって足元の地域から小さな観光で活性化をし、感染者数の様子をみながら隣の市町村、隣の都道府県と経済の結びつきの強い「お隣さん」へと範囲を拡大していけばいい。特に京阪神を中心とした関西や首都圏は潜在的な力があるはずだ。
まず国として、与野党が一致した揺るぎない指針を政府が示し、国民が安心して行動の指針とできるようにすべきである。一部の野党のように党名云々と言っている暇はない。その指針が老若男女国民の半数が納得できれば、それに向かって日本国民は地道な行動を落ち着いてとることができるはずである。政府が信頼を回復し明解な指針を示すことができれば地方自治体独自の指針を示す必要はなくなり、地方間の差も徐々になくなっていくと思う。それこそが国民の安心と安全な行動につながるのではないだろうか。