加工食品の表示について、それまでの「製造年月日」から「消費期限・賞味期限」に変更されて今年で25年。コープこうべ商品検査センターは、食品の期限表示に対する理解を深めることで食中毒や食品ロスなどをなくすため、情報誌「くろまと」2020年7月夏号で『生活に役立つ「食品の期限表示」を正しく知ろう‼』を特集した。
食品は大きく米や野菜、鮮魚などの「生鮮食品」と「加工食品」に大別される。「加工食品」に対しては1995年から「食品の期限表示」が義務付けられるようになった。
加工食品には商品の特性に応じて「消費期限」または「賞味期限」が表示されている。では、「消費期限」と「賞味期限」はどう違うのか――。
「消費期限」は、弁当やサンドイッチ、総菜、生めん、生菓子など「劣化が早く、傷みやすい食品」に関して、「安全に食べられる期限」を「年月日」で明示したもの。「期限を過ぎたら食べるのはやめましょう」という意味がある。
これに対し「賞味期限」は、スナック菓子やカップ麺、レトルト食品、缶詰、ハム・ソーセージなど「劣化が比較的遅く、日持ちする食品」に関して「おいしく食べられる期限」を「製造から期限までが3か月以内のものは年月日で、3か月を超えるものは年月」で明示している。「期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない」というのが「消費期限」との大きな違い。
ただ、この期限は「消費期限」も「賞味期限」も「開封前」で、かつ「保存方法を守る」ことが大前提で、「一度開封してしまうとどちらも期限は無効」に。期限はあくまで開封する前の期限を表しており、「開封後は期限にかかわらず早めに食べる」ことが求められる。
「開封後」の注意点は「正しい保管方法」。例えば、つい買い置きしてしまいがちな「粉もの」。お好み焼き粉やホットケーキミックス、から揚げ粉などには、害虫が好む旨味がブレンドされているため、開封後はアレルギーの原因となるダニなどの侵入を防ぐためチャック付きの袋に密封して冷蔵庫で保管し、早めに使うことが大切。
米は、野菜と同じ生鮮食品に区分されているため、期限表示の代わりに「精米日」が表示されているが、家庭の室温(25℃)で保管した場合、精米日から2か月程度で食味が低下すると言われている。保管中の温度変化や湿度の影響も受けやすいため、「気温が高い夏場は購入から2週間、その他の季節では1か月を目安に食べきることをお勧めします」としている。
情報誌「くろまと」では「期限表示」を理解し、上手に利用する知恵も紹介している。冷蔵庫や食品庫の食材、備蓄食品の期限表示をチェックし、期限切れを無くすことは「食品ロス」の削減につながると指摘。また、買い物の時、すぐに使う予定の食材は、期限が近い商品や値引き商品が置かれている食品棚の手前から取るようにアドバイス。「てまえどりは、日々の買い物で、食べ物を大切にし、食品ロスを削減する新しい購買行動です」と呼びかけている。