10日の東京株式市場で、日経平均株価は前日より247円46銭高い2万5087円30銭で取引が始まった。取引時間中としては1991年11月以来、29年ぶりに2万5000円を上回った。上げ幅は、一時400円を超え、連日でバブル経済崩壊後の最高値を更新した。
アメリカ製薬大手・ファイザー社による新型コロナウイルスのワクチン開発の進展や、日本政府の今年度第3次補正予算案の編成着手がプラス材料となっている。
神戸市中央区・三宮の野村證券神戸支店では60代・会社役員の男性が株価の推移に注目していた。
「この流れはすごいです。バブル期の平成初期以来じゃないかな。2万5000円を超えるなんて。ご祝儀相場ともいわれるけど、とにかくアメリカが落ちついたのが大きい。トリッキーなトランプさんと違い、バイデンさんは計算が立つから。日本のビジネスマンにとっても理解しやすいタイプだと思いますよ。たとえば次の一手を打つにしても、いくつかあるうちの1つを選択する手堅い印象。トランプさんは真逆です。必ずリスクが伴うし、いつまでも『アメリカ・ファースト』では困りますね。ただ今後、菅さんとバイデンさんが合うのかどうかは未知数です。お互い、前のめりタイプではないですから。菅さんがアメリカの言いなりにならず、様子を見ながら冷静に交渉できるのか、注視したいです。国内では学術会議問題であやふやな対応、これがほころびになりかねません。安倍さんとトランプさんのようにイケイケな関係ではなく、堅実で誠実なイメージをアメリカに与えれば、日米の見通しは明るいと思いますよ」
10日午前の終値は、前日終値に比べ268円37銭高の2万5108円21銭だった。