商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社、西宮神社(兵庫県西宮市)で「十日えびす」(1月9~11日)を前に8日、恒例の神事「大マグロ奉納」が行われた。
今年奉納されたのは、鹿児島で水揚げされた体長2.3メートル、重さ230キロの本マグロ。
例年、マグロの頭や体にさい銭を貼り付けると「お金が身につく」とされ、御利益にあやかろうと多くの参拝者が訪れるが、今年は新型コロナウイルスの感染再拡大により、一般参拝客によるマグロのさい銭貼り付けは中止した。参拝客が密集したり間接的に接触したりするのを防ぐための措置で、奉納されたマグロはアクリル板で囲って拝殿に飾った。
大マグロ奉納は1970(昭和45)年、神戸市東部水産物卸売協同組合(神戸市東灘区)などが豊漁を願って始めた。マグロが大きすぎて本殿に置けなかったため、参拝客の手が届く拝殿に供えられた経緯がある。
西宮神社では、政府の観光需要喚起策「GoToトラベル」が全国で一斉に一時停止されたのを受け、遠方からも参加者が多い開門神事での恒例「福男選び」の中止が決定、1月10日午前6時開門時の「走り参り」は行なわず、神事を手伝う「開門神事講社」の講員がゆっくり歩いて先導し、参拝者を本殿へ誘導するという。