岡山県真庭市は、古くから醸造業が盛んで、今も酒造りをはじめとするこだわりの発酵食文化が受け継がれている。今回は、河野酢味噌製造工場を紹介しよう。
河野酢味噌製造工場は、1888(明治21)年創業の、酢・みそ・しょうゆの蔵。大正6年の維新50年記念博覧会で銀杯を受賞した麹造りの技を代々受け継ぎ、昔ながらの天然醸造で仕込みを行い、創業当時から使われている杉桶を今でも使っている。
酢、みそ、しょうゆというと、和食には欠かせない調味料。これらに共通するのが「麹」。ここでは、その麹に何回も手を入れ、酢もその顔を見ながら、香を嗅ぎながら、味わいながら、もろ味の時には音も聞きながら「ぷつぷつ」や「ぶくぶく」、「しゅわしゅわ」と、五感を使って作るのが、河野酢味噌製造工場の天然醸造。
おすすめは、米の芯で作る馥郁(ふくいく)とした香りが特徴のみそ「味噌屋清治郎」。全国味噌鑑評会でも各賞を獲得した実績を持つ。
河野酢味噌製造工場では、伝統的なもの以外にも人気商品がある。それは、「糀味ドレッシング」シリーズ。一般的なフレンチドレッシングの半分以下のカロリーで砂糖も控えられているヘルシーな商品。
そして、地域の発酵食を扱う会社などで作られたグループ「まにわ発酵's」から生まれた「粕酢」。メンバーの酒蔵の酒粕を3年間熟成させて、河野酢味噌製造工場が120年前から飼っている酢酸菌を使って仕上げたコラボ商品だ。お互いのいいところを合わせて仕上げた、深いコクと優しい酸味が特長の赤酢となっている。
「発酵」の魅力を感じる、おいしくて体に優しい新たな逸品にも、注目せずにはいられない。