イスラエルの物価はかなり高く、この旅では常にぜいたくを控えながら食事を楽しんでいた。
例えば500ミリリットルのミネラルウォーター1本が約300円(※旅行当時、現地通貨を日本円に換算)で、旅行中はずっとのどと財布がカラカラになりそうだったし、割安の2リットルのペットボトルを購入しても、その持ち運びの不便さに悩むことになる。
活気と笑顔にあふれ、いつまでもどこまでも続きそうなエルサレムの夜だったが、早朝の旧市街も散歩してみたかったので、この日は早めにゲストハウスに帰ることにした。このときはまだ、“事件”が起きるとは夢にも思っていなかった。
カーテンのない部屋で目が覚め、できるだけ身軽にと貴重品だけを持って外出した。
早朝の旧市街は観光客もほとんどおらず、露店の準備を始める商店がいくつかある程度。とても静かな朝だった。
この街の朝はそんなに早くないのかもしれない。日本での通勤電車を思い出しながら、そんなことを考えた。高い壁に囲まれた狭い道は日の光が届かず涼しい。周りの景色と気温が神聖な空気を生み出していた。
早起きして本当によかった。
【『独身リーマン、世界へ』イスラエル編 アーカイブ】
(1)独身リーマンがイスラエルに行って、すぐ帰りたくなった話
(2)イスラエルで迎えた、はじめての朝
(3)イスラエルの公衆トイレでドキドキ体験?!
(4)聖地・エルサレム到着
(5)エルサレムの旧市街地で感じた「人間の暮らし」
(6)「嘆きの壁」の2つの秘密
(7)キリスト最期の地「ゴルゴダの丘」