その僧侶が執事の石堂恵遼(いしどう・えりょう)さん。石堂さんは「確かに、宝塚ならではの華やかさが1つの風物詩です。しかしこのコロナ禍、密は絶対に避けなければなりません。こういう時代であるからこそ、参拝された方々は中山の観音さまに救いを求められ、私たち僧侶はその祈りを形にすることが役目です。そうした意味では華やかさはなくとも原点に立ち返る、いい法要でした」と振り返る。
ここ数日、豆まき1つ取っても、そのあり方を考えされられた2021年の節分、石堂さんは「豆=魔滅(まめ・まめつ)、文字通り魔を滅するわけです。日本人が得意とする言葉の言い回し、言葉遊びです。折しもアニメの『鬼滅の刃』ブームですが、日本人特有の魔や鬼を怖れる感覚と、それらの退散を願う気持ち、さらに新型コロナウイルスの収束を誓い、再び華やかで楽しい節分会が迎えられますように」と話した。
中山寺では毎年4月、聖徳太子が開山した当時から続くとされる伝統の法要「無縁経大会式(むえんぎょうだいえしき)」が開かれ、菩薩(ぼさつ)の来迎を表現する行列では、きらびやかな衣装を着て菩薩に扮(ふん)するタカラジェンヌが、稚児装束の子供らと境内や本堂を練り歩く(2020年は中止・2021年は未定)。
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「野をもすぎ里をもゆきて中山の 寺へ参るは後の世のため」《中山寺・御詠歌》
~幾度となく、野山や村里を越えて、はるばる中山寺へ。それは最後にたどり着きたいところがあるから。今の時代に置き換えれば、私たちができる範囲でコロナ対策を施すことが、早い収束と後々安心できる社会を取り戻せる、といったところだろうか。
世間は1年以上にわたり新型コロナウイルスに翻弄されている。どこかで区切りをつけて前を向きたい。2月2日の節分は124年ぶり、さらにコロナ禍という「2つの特別」。その節目に魔が入らぬよう願って「鬼は外、福は内」と鬼や魔を退治する、この風習の意味を改めて考えさせられる日となった。
2日、神戸・大阪の日中の最高気温は13.7度~14.2度と3月中旬から下旬並みに。中山寺の梅林や、枝垂れ桜の開花も、この暖かさで早まりそうだ。
