多くの酒蔵が酒米「山田錦」を使用するなか、「櫻室町」ブランドを展開する室町酒造(岡山県赤磐市)は、地元・岡山の酒米「雄町米」にこだわった酒造りを、30年以上も前から始めている。
「雄町米」とは、品種改良のない原種の米で、一時は絶滅しかけた“幻の酒米”といわれている。
現在は“オマチスト”と呼ばれる「雄町米」のお酒のファンも多く、「雄町米」を使用した酒を造る酒蔵も増えてきている。そのなかで、室町酒造は、長年の経験を生かして、他の酒蔵に負けないよう、この酒米の特徴を理解し、地元の名水「雄町の冷泉」も用いて、うまみのある酒造りを行っている。
昨年11月には、新型コロナウイルス感染拡大の終息を願い、石上布都魂神社(赤磐市)で奉告祭を実施。また、日本酒に疫病退治の思いを込めた純米吟醸酒「おろちのあらまさ」を発表している。この石上布都魂神社は、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治するのに使用した神剣「オロチノアラマサ」が祭られていた神社だという。
室町酒造では、そのほかにも、フルーツ王国岡山ならではの果物を使ったリキュールも人気だ。白桃、ピオーネなどラインナップも豊富。
「おろちのあらまさ」をはじめとする「雄町米」から造られた名酒をたしなみながら、疫病退治を願いたいものだ。
※ラジオ関⻄『PUSH!』2021年1⽉27⽇放送回「ひょうご・おかやまケンザカE︕(32)」より
◆室町酒造株式会社
岡山県赤磐市西中1342-1
電話 086-955-0029
http://sakuramuromachi.co.jp/