京都の路面電車『嵐電』 福井へ行かないのになぜ京福電鉄? ~鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」vol.17

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 鉄アナ・羽川英樹の連載「行ってきました!」。今回、羽川アナがつづる鉄道コラムの主役は、京の都をはんなり、ほっこりと走る「嵐電」(らんでん)こと、京福電気鉄道。その嵐山本線へ、出発進行!

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 京都の四条大宮と嵐山の7.2kmを結ぶ京福電鉄嵐山本線。通常、1両が10分おきに四条大宮を出発していきます。次の駅「西院」でも阪急京都線と連絡するんですが、駅名が阪急は「さいいん」なのに、嵐電は「さい」と読みます。このあたりを昔、「賽の河原」と呼んでいたことが由来のようで、地元の人は両方の呼び名の間をとって「さーいん」と発音しているようです。

 島津製作所がある「西大路三条」あたりからしばらく路面上を走ります。嵐電は京都で唯一、路面区間があることから全線の最高速度が時速40kmにおさえられています。

「山ノ内」は道路上にある安全地帯から乗り降りするのですが、これが幅50cmくらいの実に狭小な停留所。乗客は歩道で待って電車到着後、車道の赤信号を確認して乗車。これじゃとても“安全地帯”とは呼べません。

「嵐電天神川」は2008年に地下鉄東西線延伸で新設された駅。地下鉄に乗り換えれば市内中心部や、びわ湖浜大津まで一直線、という便利さです。ホームから京都最古のお寺の山門が見える「太秦広隆寺」。駅近くの<東映太秦映画村>では、時代劇のオープンセットや殺陣の実演にアニメ・特撮コーナーなどが人気を集めています。

 沿線最大の難読駅名の「帷子ノ辻(かたびらのつじ)」。ここからは北野線の電車も発着します。この太秦には、かつて映画会社の撮影所が数多くありました。今もその名が残る大映通り商店街ではなつかしの特撮ヒーロー・大魔神が迎え、「うずキネマ館」では映画資料や機材が保存公開されています。

 芸能の神様として有名な「車折神社」。境内には芸能関係者の朱塗りの玉垣が所狭しと並んでいます。また「嵐電嵯峨」では、JR嵯峨野線と嵯峨野観光鉄道に連絡。トロッコ駅にある<ジオラマ京都JAPAN>は西日本最大級のスケールを誇り、京都の寺社や町並みなどが緻密につくられています。

 終点「嵐山」は2013年、インテリアデザイナー・森田恭通氏によって大きくリニューアルされました。駅にさしかかると友禅をアクリルで包んだ高さ2メートルの幻想的なポールが目に飛び込んできます。600本で構成される<キモノフォレスト>が暖かく乗客を迎え入れてくれるんです。 

 嵐山駅を降りると周辺は渡月橋や天龍寺をはじめみどころいっぱい。嵯峨嵐山文華館・福田美術館・竹林の小径・大河内山荘庭園にぜひ立ち寄りたいところです。また街中グルメでは老舗肉屋「中村総本店」のコロッケのテイクアウトや、かつての銭湯を改装したカフェ「嵯峨野湯」がおすすめです。

 ところで福井まで線路がつながっていないのに、なぜ「京福」というんでしょう? 実は、この鉄道はかつて「京都電燈」という電力会社が経営しており、当時は京都・祇園の夜に使う電力と福井の繊維工場の昼の電力を融通していた「京福送電線」に由来するんだそうです。ゆえに京都と福井を鉄路で結ぼうという計画は、もともとなかったようです。(羽川英樹)


「羽川英樹ハッスル!」
https://jocr.jp/hassuru/

鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」アーカイブ
https://jocr.jp/raditopi/tag/hagawa-ittekimashita/

鉄アナ・羽川英樹の出発進行(YouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/channel/UCm9ayfj0EO2utdyJ97NFpxQ

羽川英樹ハッスル! (1) | ラジオ関西 | 2021/02/4/木 10:00-11:00

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