2021年は3月20日に迎える、春分の日。冬の星座たちが早い時間に西の空に沈み、変わって東の空からは春の星座が昇ってくるようになる。
3月の夜空でひときわ輝いているのは火星。2020年10月の準大接近を経て少しずつ地球から遠ざかりつつあるものの、西の高い空で存在感を示している。中旬になると火星の近くにもう一つ赤っぽい色の星、おうし座の1等星アルデバランが見える。太陽光を反射して輝く火星に対し、アルデバランは自ら光を放って輝く恒星で、表面温度が低いためオレンジ色に見える。
一方、月は、13日に新月となり、その後、15日ごろから西の空で少しずつ太っていく。この時の月の向き(傾き)は、光っている部分が下側になり、まるで寝ているような月になるという。19日、20日ごろになると月と赤い2つの星が近づく。印象的な光景が見られそうだ。
さて、金星は明け方の東の空で「明けの明星」として輝いていたが、24日に太陽の向こう側にまわって外合(がいごう)となる。これを境に夕方の西の空にで「宵の明星」と、その居場所を変える。
少しずつ暖かさを感じられるようになる3月。とはいっても夜はまだまだ寒い。夜空を見上げる際には、防寒対策をしっかりと。
明石市立天文科学館
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— 井上毅(いのうえたけし) (@INOUE_Takeshi_) February 13, 2021