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ラジオは何ヘルツまで聞こえる? AMラジオとFMラジオでクリアに聞こえる周波数とは

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 ラジオの放送で聞こえる周波数はいったいどれぐらいなのでしょうか。普段はラジオの裏方を務める技術スタッフが、ラジオ番組のなかで、AM・FMラジオで聞こえる音の高さや周波数について解説しました。

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 音の高さは「Hz(ヘルツ)」という単位で表現されます。Hzは空気が1秒間に何回振動して音になっているかという値で、人の耳で聞くことができるのは、個人差はあるものの、一般的には20Hz~20,000Hz(20kHz)。数値の小さい20Hzが低い音で、数値が大きい20,000Hz(20kHz)が高い音に。ちなみに、ヘルツという単位の名前は「マックスウェルの電磁波理論」を証明したドイツの物理学者ハインリヒ・ルドルフ・ヘルツの名にちなんでつけられたものです。

 AMラジオでクリアに聞こえる周波数は、100Hz~7,500Hz(7.5kHz)。人間が聞こえるとされる周波数20Hz~20,000Hz(20kHz)と比べると、それよりも狭い範囲ということになります。FMラジオはAMラジオよりも範囲が広く、50Hz~15,000Hz(15kHz)の範囲で聞こえるそうです。

 仮にラジオパーソナリティーが10,000Hz(10kHz)の音の高さでしゃべることができたなら、AMラジオの放送では聴こえにくく、FMラジオの放送ではクリアに聞こえるということに。ただし、ソプラノの最高音が約3kHzなので、10kHzでしゃべることは非常に困難です。

 FMラジオの方が音質をクリアに感じるのは、AMより広い周波数帯域とノイズに強い特性があるからということです。

 神戸のラジオ局・ラジオ関西の場合、AM(中波)とともに、ワイドFM(FM補完放送)があり、AMはモノラル、FMはステレオで放送されていますが、それも音の聞こえ方に違いが出る原因の1つとされています。

 AMラジオで放送として音声を電波にのせるとき、聞こえる一番高い音の2倍程度の周波数帯域幅が必要。そのため、7.5kHzの高さの音まで送ろうとすると、15kHzの周波数帯域幅が求められることになってしまいます。なぜ7.5kHzまでの高さになっているかといえば、「さらに高い音を送る場合、他の放送局と混信したり、ノイズを拾いやすくなるから」という要因があるそうです。

 一方、FMラジオの場合は、一番高い音の5から10倍程度の周波数帯域幅が必要に。FMの周波数帯域幅は200kHzとされていて、AMと比べて非常に広い周波数帯域幅が求められます。


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宛先 〒650-8580 ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』
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※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』2021年4月25日放送回音声

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おしえて!サウンドエンジニア | ラジオ関西 | 2021/04/25/日 08:25-08:30

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