判決で神戸地裁は「殺意」と「共謀関係」を認定した。▼犯行前の約1週間、神戸市内に滞在して行動を共にして、組長の動向を監視した▼刃体の長さ約21センチの包丁を準備した▼犯行時は背後から組長を襲ったことを理由に挙げた。
また報復の恐れや取り締まりの強化が想定される中、対立する組織の幹部を狙ったのは、個人的なトラブルとは言い難く、計画的で執拗な犯行は反社会的であり、さらに抗争が激化する危険性を指摘し、「抗争事件」としての認識があったとした。
この事件は本来、裁判員裁判の対象となるが、神戸地検はこれらの抗争事件4件について「事件に組織性があり、関係者が裁判員に報復行為に及ぶ危険性がある」として、神戸地裁に裁判員裁判からの除外を請求していた。しかし神戸地裁が2020年9月、神戸地検の請求を退けたため、地検はこれを不服として即時抗告した。その後大阪高裁が同年10月、「抗争状態は激化している。わが国最大の暴力団組織と、そこから分裂した組織で構成員らは極めて多数で、裁判員の危険を拭い去ることはできない」として除外を認めた。