京都で生まれ育った泰代さんからすれば、さぞかし寂しいかと思いきや「もともと後祭(2014年に復活。1965年以来のこと)は、祇園祭が終わりを迎える、何とも言えない風情がありました。でも一昨年までは観光メインで大変な人だかり。錦市場や四条通、烏丸かいわいも、まるで乗っ取られたようで、地元の人らが肩身が狭くなりました。去年も今年も、神事は粛々と執り行われていますし、疫病を祓う本来の姿を取り戻して、なおかつ技術の継承のために鉾立てはやってはりますから、それはそれでいいんやないかと思います。そうやって少しずつ賑わいを取り戻せたら」。ここにも『行きつ戻りつ』、少しづつ歩む、その精神が息づく。
《かんさい・夏の和菓子『冷菓涼爛(ひゃっかりょうらん)』》いまレトロ、むかしハイカラ「レースかん」、レモンが織りなす京の涼風~大極殿本舗
2021/07/24