神戸市北区筑紫が丘の路上で2010年10月、高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件で、神戸地検は20日、殺人容疑で8月4日に逮捕されたパート従業員の男(28・犯行当時17)について、犯行時の精神状態や刑事責任能力の程度を調べるため「鑑定留置」とした。期間は12月13日まで。19日に神戸簡裁に請求し認められた。
捜査関係者によると、男は青森県内の高校に通っていたが、当時交際していた女子生徒とけんかになった別の少女の頰にカッターナイフを当てて脅すなどのトラブルを起こして事件の数か月前に退学。その後、神戸市北区の現場付近の親族宅に移り住み、面識がない将太さんを襲った疑いがある。男は容疑を認め、将太さんが女の子と一緒にいる様子を見て腹が立ったとの趣旨を供述。神戸地検は経緯や動機の解明に向け、犯行時から現在に至るまでの精神状態を詳細に調べる必要があると判断したとみられる。
男は知人に「人を殺したことがある」と事件への関与をほのめかしているとの情報を兵庫県警が入手し、将太さんの衣服から採取されたDNA型が男のものと一致したことなどから、4日に逮捕した。
逮捕容疑は2010年10月4日夜、神戸市北区筑紫が丘4丁目の歩道上で、交際相手の少女と一緒にいた将太さんを刃物で刺すなどして殺害した疑い。