73kmの轍「銀の馬車道」「鉱石の道」が伝える、近代日本の発展の歴史 「歴パ!ひょうご地域遺産バトンリレー」(2)

LINEで送る

この記事の写真を見る(9枚)

 兵庫県には、文化庁が認定した「日本遺産」が9件、国指定史跡が22城あり、いずれも全国最多を誇る。また、1000を超す城跡や播磨国風土記など、個性豊かな地域遺産を数多く有している。そうした兵庫の歴史を学びながら、周辺のおすすめスポットを計15回のシリーズで紹介する。

【第2回】播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道~資源大国日本の記憶をたどる73kmの轍~

「銀の馬車道」。なんともメルヘンチックなネーミングの日本初の産業道路が、但馬南部の生野鉱山(朝来市)から南へ飾磨港(姫路市)まで走り、採掘された鉱物や資材を届ける馬車が行き交った。全長は49km。かつて「佐渡の金」と並び称された「生野の銀」に加え、周辺には「神子畑・明延の銅」「中瀬の金」の鉱山が広がっていた。鉱山群をつなぐ24キロもの「鉱石の道」には、東洋一を誇った神子畑選鉱場跡(朝来市)と明延鉱山(養父市)の間をつないだ明神電車跡などが今も残り、近代日本の発展を支えた歴史を伝えている。

神子畑選鉱場跡
明延探検坑道

 明神電車は、かつての運賃から「1円電車」の愛称で親しまれた貨客混載のミニ鉄道で、1909(明治42)年以降、「日本一」の呼び声が高かったスズ鉱を明延から神子畑に運んだ。山の斜面に威容を見せる選鉱場跡は、最盛期には24時間フル稼働し、「不夜城」の様相を呈したと語り継がれている。

1円電車

【参考文献】
・兵庫県公式観光サイトHYOGO!ナビ
・文化庁日本遺産ポータルサイト

◆おすすめスポット
宿泊施設「glaminka」(神崎郡神河町)

提供:glaminka
提供:glaminka

 JR播但線「寺前」駅から北西に車で15分ほど走ると、古民家を改装した、趣ある宿泊施設「glaminka(グラミンカ)」が見えてくる。2018年2月にオープンし、国内外から多くの人が利用する。「グラミンカ」とは、「グランピング」と「ミンカ(民家)」を掛け合わせた造語。同施設を運営する大西猛さんは、「グランピングとは、キャンプのわずらわしさを取っ払ったもの、と考えています。とはいえ、楽しいわずらわしさは残して、部屋の中にいながら外を、外にいながら中を楽しめるように工夫しています。普段の生活ではなかなかできない『できたらいいね』をちりばめています」と話す。

提供:glaminka
提供:glaminka
提供:glaminka
提供:glaminka

 昨今人気のキャンプを例にとれば、民家の母屋がテントの役割で、庭先でキャンプファイヤーなどを楽しめるというもの。夕食は地元食材を使ったバーベキュー、朝食は和食を時間をかけてゆったりと楽しむ。また、訪れる人の楽しみ方は多岐にわたるという。親世代は「なつかしい」、子世代は「経験したことがない、映える」、孫世代は「アミューズメントパークのようだ」といったように。最大10人まで宿泊でき、1日1組限定。

提供:glaminka
提供:glaminka

 大西さんは、グラミンカを運営するうえで▼ゲストハウスのようなぬくもり▼ホテルのようなサービス▼地域交流が生まれるような場所、の3つの考え方をを大切にしているという。神河町でのオープンを決めた理由を、大西さんは「景色です。山並みを望む高台からの景色を見た瞬間に『ここにしよう』と決めました」と即答。「空気が澄んでいて、日が暮れれば満天の星空が楽しめる。そして、私は雨の日も好きなんです。山に霧がかかって、雲の上に浮いているような感覚になるのです」と、その魅力を力説する。「人の笑顔が生まれる場所づくり」を共通理念とするグラミンカで、非日常を楽しみたい。

提供:glaminka
提供:glaminka
提供:glaminka
提供:glaminka

■「glaminka」
兵庫県神崎郡神河町南小田958
※予約は、メール(takeshionishi.glaminka@gmail.com)か、LINE(ID:@glaminka)で受け付け
【公式Instagram】



【兵庫県公式観光サイトHYOGO!ナビ】
【文化庁日本遺産ポータルサイト】

「歴パ!ひょうご地域遺産バトンリレー」アーカイブ記事


◆『歴パ!ひょうごの地域遺産バトンリレー』 2021年8月21日放送分

LINEで送る

関連記事