阪急阪神百貨店を運営する流通大手・エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは8月31日、兵庫県や大阪府、奈良県を中心に店舗展開する「関西スーパーマーケット(本部・兵庫県伊丹市)」を子会社とすることで合意したと正式発表した。
H2O傘下で食品スーパー事業を手掛ける「阪急オアシス」や「イズミヤ」と経営統合する。調達や商品開発で連携し、競争力の強化を図る。株式交換方式での実質的な買収となる。経営統合手続きは2022年2月に完了する見込み。
新型コロナウイルス感染拡大で、主力の百貨店事業が苦戦する中、在宅時間の増加で「巣ごもり需要」が増大し、業績が好調なスーパーの事業拡大に活路を求める。3社の統合後の売上高は単純合算で4000億円に迫る。客層の重なる「ライフコーポレーション(大阪市淀川区・東京都台東区/2本社制)」の近畿2府4県の売上高とほぼ並び、関西でトップクラスとなる見通し。
H2Oは現在、関西スーパーの発行済み株式の約10%を保有している。12月に予定する株式交換によって保有比率を58%まで高め(残り42%は現在の関西スーパー株主)、子会社化する。関西スーパーは、阪急オアシスとイズミヤの全株式を交換で取得し、2社を完全子会社とする。
関西スーパーの事業は新設する事業子会社に移行し、中間持ち株会社になる予定。関西スーパーの東京証券取引所への上場は維持し、店舗名も変更しない。
H2Oは百貨店を主力とする一方、食品スーパー事業を「第2の柱」として強化する方針を掲げている。7月には関西でスーパーを運営する万代(本店・大阪市生野区)と包括業務提携することで基本合意している。