歌詞が実に300番超え!200年歌い継がれる丹波篠山伝統の民謡とは 『歴パ!ひょうご地域遺産バトンリレー』(5) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

歌詞が実に300番超え!200年歌い継がれる丹波篠山伝統の民謡とは 『歴パ!ひょうご地域遺産バトンリレー』(5)

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 兵庫県には、文化庁が認定した「日本遺産」が9件、国指定史跡のお城が22城あり、いずれも全国最多を誇る。また、1000を超す城跡や播磨国風土記など、個性豊かな地域遺産を数多く有している。そうした兵庫の歴史を学びながら、周辺のおすすめスポットを計15回のシリーズで紹介する。

【第5回】丹波篠山 デカンショ節 ―民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶―

「丹波篠山 山家の猿が 花のお江戸で芝居する」……全国的に知られる「デカンショ節」は、江戸時代から200年にもわたって歌い継がれる伝統の民謡だが、その歌詞が実に300番を超える事実をご存じだろうか。地域や時代ごとに風土や人情・名所・名産を次々と歌い込むうち、積もり積もって膨大なバラードを創り上げた。日本遺産への認定も「民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」との副題が添えられている。

 毎年8月15・16日の「デカンショ祭」では、生歌・生演奏に合わせ、篠山城跡に高く組み上げられたヤグラを、踊りの輪が幾重にも取り囲み、数千人もが踊り続ける。

 全国区の知名度を誇るこの歌を広めたのは、篠山から上京した学生だったのは意外なところ。明治31年ごろ、さらに旧制第一高等学校(現在の東大)の学生らに伝わったことから、デカンショとは哲学者「デカルト、カント、ショーペンハウエル」の略との説も語られた。

デカンショ祭
大書院と二の丸 篠山城

「デカンショ節」の歌詞を見れば、丹波篠山のことは何でも分かる。何しろ300番以上あるわけで……。では、国史跡・篠山城の城下町の様子は、どんなふうに歌われているのだろうか。

「並木千本 咲いたよ咲いた 濠に古城の 影ゆれて」……満開の桜そのものではなく、濠に映る古城の影が揺れる様を描くとは、さすがだ。城下に住まう人々の心の余裕さえ感じさせる。それもそのはず。篠山城は、天下普請により1609(慶長14)年、徳川家康が山陰道の要衝に築いた城だった―との由緒も、関係しているのかもしれない。2000(平成12)年には大書院が復元され一般公開されている。

 また名物の「牡丹鍋」も情緒豊かに歌い込まれている。

「雪がちらちら 丹波の宿に 猪が飛びこむ 牡丹鍋」……雪が舞い、盆地特有の底冷えする夜に味わう、温かな牡丹鍋との対比が見事。鍋料理には欠かせない、酒どころとしてのアピールもしっかりとしている。


【兵庫県公式観光サイトHYOGO!ナビ】
【文化庁日本遺産ポータルサイト】

「歴パ!ひょうご地域遺産バトンリレー」アーカイブ記事


◆『歴パ!ひょうごの地域遺産バトンリレー』 2021年9月11日放送分

 

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