10月31日投開票の神戸市長選挙で、史上最多となる約44万票を集め、3度目の当選を果たした、現職の久元喜造氏(67)。当選から一夜明けた翌11月1日朝、ラジオ関西(神戸市中央区)の番組に生出演した。
久元氏には、投票が締め切られた午後8時過ぎ、早々に「当選確実」の一報が届いたといい、「大変ありがたいこと。4年前よりも多くの方が手を振り、声をかけ、グータッチをしてくれた」と充実感をにじませた。その上で、「多くの方々が、『しっかり仕事をしろ』とおっしゃっている。重い責任を感じていて、緊張感を持ってしっかりやる」と引き締まった表情を見せた。
選挙期間中、印象的だったこととしては、「若者が声をかけてくれたり、一緒に写真を撮りましょう、と言ってくれたりした」ことを挙げ、「今までなかったことで、市長選に関心を持ってくれていることがわかり、嬉しかった」と表情をほころばせた。
新型コロナ対策については、「感染は落ち着いているが(11月1日現在)、ウイルスは存在している。第6波が起きるのか、起きるとしたらどういう形なのかは誰もわからないが、仮に起きても、うろたえることなく、冷静にしっかり対応する」と述べた。
そして「できれば11月中に、神戸市のこれまでの対応を検証した結果を発表したい。コロナ後の大都市経営を、神戸の持つ価値をどう創造し、開花させるかという視点で考えたい」とした。
神戸の玄関口・三宮エリアの再開発などについては、「阪神・淡路大震災から間もなく27年になるが、神戸は大阪などの(震災のなかった)大都市に比べて街づくりが遅れてきた。相当のスピード感を持って進めてきたが、これをしっかりやりとげる」と決意を新たにした。また、「JR西日本の駅前ビルも心配される向きがあったが、計画も発表になった。若干の遅れはあるかもしれないが、全体としてはスケジュール通りに進められるのではないか」と強調した。
2期目途中・2020年6月には、北神急行線の市営化を実現した。久元市長は「これで終わりではない。有馬街道の拡幅や、谷上駅前広場の整備を急ピッチで進める。谷上駅で接続している神戸電鉄の沿線は、私が小・中学生の時から変わっていない駅舎が大半で、これではいけない。神戸市もしっかり支援し、人口減少を食い止めたい」と、ニュータウンの再整備などと合わせ、人口減少問題に向き合う考えを示した。
神戸市長選の投票率は53.85%で、史上2番目の高さだった。50パーセントを上回るのは、過去最高だった1973年以来、48年ぶり。