「カクテルに数滴加えるだけで…」魔性のハーブ酒“アニス系”リキュールの魅力とは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「カクテルに数滴加えるだけで…」魔性のハーブ酒“アニス系”リキュールの魅力とは

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 長い歴史の中で多種多様な進化を遂げてきた「リキュール」。その中に“魔性”のハーブ酒といわれるものがある。今回は、神戸・花隈にある「Bar SAVOY hommage(サヴォイ・オマージュ)」の店主でバーテンダーの森崎和哉さんに、強烈な魅力を持つハーブ酒「アニス系」リキュールについて、話を聞いた。

 薬草や香草を主原料としたリキュールは世界各国に存在するが、その中に「アニス酒」というカテゴリーがある。アニスとは、料理のスパイスとしても使用される“八角”のことを指し、この八角も含めて様々なスパイスやハーブを合わせて作られたリキュールが「アニス酒」となる。

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左から、「ウゾ(ウーゾ)」、「ラキ(ラク)」、「ペルノ」、「アブサン」

◆アブサン
 最初に森崎さんが紹介してくれたのは、フランスのペルノ社が製造している「アブサン」。ニガヨモギという意味を持つラテン語が起源とされており、ニガヨモギ・アニス・ウイキョウといったスパイスが配合されている。主にヨーロッパで多く飲まれていたが、ニガヨモギに含まれる“ツヨン”という成分に向精神作用があり、中毒性が懸念されたそう。そのため1900年代にはアブサンの製造が禁止されたが、その成分量や因果関係を改めて見直し、1980年代にWHOが新たな規定量を定め再び市場に出回るようになった。今回のアブサンはアルコール度数は68度とかなり高く、カクテルを作る際にはほんの数滴入れるだけで味わいに変化が出るのだそう。

◆ペルノ
 アブサンと同じく、ペルノ社が製造しているリキュール。アブサンに限りなく近づけた代用品のような存在だと話す森崎さん。こちらのリキュールにはニガヨモギが含まれておらず、アニスとリコリスなどが配合されている。ヨーロッパでは、ブイヤベースのアクセントとして使用したり、カフェで提供されたりしているようだ。

◆ウゾ
 ギリシャで製造されているアニス酒で、主原料はアニスやシナモンなどの各種スパイス。一般的には、食前に水で割って飲まれることが多く、上記で紹介したリキュール2種より甘味が強いというのが特徴だ。ハッカのような独特な味わいを持ち、エキゾチックなフレーバーを楽しめるだろう。「ウーゾ」と言われることも。

◆ラキ
「ラク」とも言われる、こちらはトルコのテキルダー社が製造しているアニス酒。風味はアブサンに近く、水で薄く割って甘味を足すと飲みやすくなるそう。また、トニックで割ってレモンを絞れば甘味と苦味のどちらも楽しむことができる。

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 今回紹介した「アニス酒」は、森崎さんによると「いずれも水で割り、好みで甘味を加えた飲み方が一般的」だという。また、カクテルに数滴加えるだけで風味に奥行きが生まれ、アクセントとしてその存在感を発揮する。いつも飲んでいるカクテルに、ほんの少しプラスすれば、新たな味わいに出会えるかもしれない。


※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2021年8月10日放送、笑ってBar「サヴォイ・ゴロー」より

◆Bar SAVOY hommage サヴォイ・オマージュ
神戸市中央区下山手通5-8-14
営業時間 16:00~23:30(LO 23:00)
定休日 日曜
電話 078-341-1208
【公式Instagram】

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